ライフスタイル
重婚日記~笑撃の結婚生活~第8話 「結婚15年目で知った夫の家族背景」
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:坂本 尚志

戸籍のある日本で「国内で重婚」が起こり得るとは――。役所に提出した婚姻届は正式に受理済みでしたが、本人も気づかないまま制度の盲点にはまっていたようです。普通の結婚生活のはずが、想定外の出来事が続き、日常は一変しました。何が本当で、何が嘘だったのか。これは、波乱と笑い、そしてレジリエンスに満ちた、ひとりの女性の実話です。
◇ ◇ ◇
遅すぎる両家の初顔合わせ
重婚発覚、夫が無職など波乱の日々を乗り越えたRoccoさん。新生活が落ち着いたかに見えたが、今度は住宅問題が浮上する。夫が債務整理中でローンを組めず、Roccoさんは子育てと仕事に追われながら、2度も自分の単独名義で自宅を購入。また、夫は偏った食生活から体調不良を繰り返し、健康に不安を抱えながらも、生活は安定していた。
初めて夫の母と会ったのは、重婚を解消したあと。それまで「家族とは縁を切っている」の一点張りで、夫方の親きょうだいの誰とも会ったことがなかった。
どういうきっかけだったか忘れたが、2人目の子どもが生まれたあと、初めて義母の家に行くことになった。義母は日本人と再婚しており、都内の立派な庭園付き戸建てに住んでいた。
あれ? 縁を切っていたはずでは? と小さな疑問は浮かんだものの、ようやく本当の家族になれたような気がして……正直、うれしかった。
それからというもの、毎年のお墓参りは、義母も誘って一緒に行くようになった。そのうち、アメリカに住んでいる義理の兄夫婦からも連絡が来て、家族全員で食事会をしようということに。
そのときはうちの母も呼び、なんと結婚10年目にして、最初で最後の両家での食事会がようやく実現したのだった。遅すぎる初顔合わせだよね。
その後は、義理の兄夫妻が来日のたびに声をかけてくれるようになり、毎回子ども同伴で食事会をするようになっていった。フレンドリーな兄夫婦は毎回、アメリカらしいお土産をたくさん用意してくれる。
決して高価なものではないけれど、ローカル店でしか買えないような、心のこもったものばかり。とても気が利いていて、私も毎回お土産が楽しみになった。家族になるって、きっとこういう積み重ねのことをいうのだろう。