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重婚日記~笑撃の結婚生活~第9話 「結婚18年目の決断」

公開日:  /  更新日:

著者:Rocco

教えてくれた人:坂本 尚志

今だからこそ、夫に感謝を伝えられるのかも

 夫について、どう思っているか? ここまで読んだ方は、あまりの“ダメンズ”っぷりに嫌気しか感じないかもしれないけども、実は、私は夫に感謝している。嘘ばかりでいい加減だったのにはうんざりだけど、家族生活は本当に楽しかった。そこは今でも心残りだ。

 とりあえず今が円満なら、その状況を維持するのが望ましいのかもしれない。もしかしたら、世の中の大半の家庭も同じかもしれない。でも、感謝と“添い遂げたいかどうか”は別問題。

 子どもたちからもだいぶ手が離れ、家庭円満で、みんな元気で、経済的にも自立できていて……。平和に別々の生活を始めるなら、こんなチャンスは今しかないと思った。仕事も投資もそうだけど、「今だ」「これだ」と思ったときに決められないと、タイミングは掴めない。

決断してからは早かった

 決断してからは早かった。夫がすべての大事なことを後回しにする性格なのは、重々わかっていたので、しっかり準備をしたうえで、とにかく離婚届にサインをしてほしいと求めた。

 夫も、私が“決めたらとことんやる”性格なのを知っているし、これまでの経緯から、さすがに反対できる立場でないことも理解していたので、渋々ではあるが、その場でサインしてもらえた。

 もちろん、夫婦関係と親子関係は別だ。子どもたちとはこれからも仲良くしてほしい。愛犬とも遊びたい。子どもたちがそう思う限りは、近くにいて、いつでも会えるようにしようという条件で離婚となった。

 こうして、私の波乱だらけの結婚生活はあっさり幕を閉じた。実は、その後も号泣と爆笑の波乱があるのだが、それはまた、いつかどこかで。

【重婚について】
刑法第184条では、すでに配偶者がいる者が別の相手と婚姻した場合を「重婚罪」と定めています。ただし、実際の現場では、意図的なものばかりでなく、外国との戸籍や手続き上の制度の違いや、ミス・誤認などによって、意図せず結果的に重婚状態になってしまうケースもあり得ます(清陵法律事務所・坂本尚志)。

(Rocco)

Rocco(ロッコ)

20年近い結婚生活で、次々に起こる波乱を、泣きながらも笑いに変えて乗り越えてきた。とくに、戸籍制度の落とし穴から生じた「国内重婚」という、聞いたこともない状況に直面し、検索しても事例が見つからず、孤立無援の中で悩んだ経験は大きい。実際の体験をもとに、戸籍制度とレジリエンスをテーマに綴っています。

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坂本 尚志(さかもと・たかし)

弁護士。清陵法律事務所所長。プロボクサー。東京大学法学部卒業。詐欺・消費者問題に注力。https://seiryo-law.com/