漫画
「荷物持ちましょうか」→「良かったら…」 赤ちゃんと大荷物を抱えて退院した女性に声をかけた“さわやかパパ” 実体験を書いた漫画に感動の声
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「病気のことを“誰かに話す”って素敵だなと思えた瞬間だった」
わだちさんに、漫画を描いたきっかけやNICUでの経験について、詳しく話を伺いました。
Q. 今回の作品を再投稿された理由は?
「NICUは多くの人にとってはあまりなじみがある世界ではないかもしれません。私自身、2人目の出産後に子どもが緊急搬送され、初めてNICUの中に入りました。当時、NICUにいた赤ちゃんの多くは早産児でした。頑張る赤ちゃんとそれを支える医療者・保護者の姿をもっと知ってほしくて世界早産デーにあわせてこのお話を選びました」
Q. 「さわやかパパさん」から声をかけられたときの率直な感想を教えてください。
「初めはとてもさわやかで明るい声かけだったのでびっくりしました! 当時の私は不安でいっぱいで、人に子どもの病気を話す余裕もありませんでした。病気のことを“誰かに話す”って素敵だなと思えた瞬間でもあり、子どもの闘病レポ漫画を描くきっかけのひとつだったなぁと今は思います」
Q. NICUでの入院期間、とくに大変だったことは?
「一番つらかったのは、絶食で苦しそうな姿を見ることですね……。その頃はまだ病名がヒルシュスプルング病とわかっていなかったので、どうしてミルクが飲めないのか、何もわからずで……。空腹でずっと泣いているのに何もできない切なさは、今思い出しても泣けます……」
Q. 「名前を聞いてください」とパパさんから聞かれたときの心境を教えてください。
「『自分の子が頑張っていることを誰かに知ってほしい』という気持ちがすごく伝わってきました。毎日少しずつ体重を増やしながら退院を目指して頑張る赤ちゃんに、こんな素敵な名前がついているんだよ、って聞いてほしい。その思いがとても温かく感じられて心に残りました。自分の子どもの闘病レポ漫画を描きながら、やっぱりここのパパさんの話は描きたいな?と後から話を遡って描きました」
Q. 当時、NICUで頑張っていたお子さんの現在の様子は?
「今では3歳になり、平均よりちょっぴり大きめ&立派なお腹に成長しました! 私がiPadで漫画を描こうとすると、必ず画面に飛び乗ってきて右手をガシッとつかみ、『ママ、見るべきものは俺だろ?』みたいなドヤ顔で邪魔してくるのがかわいいです。あと乳児期に絶食が多かった反動(?)なのか、今でもお腹が空くと激しく怒るのが赤ちゃんの頃と同じで、かわいいなーと思います」
あまり多くの人が経験することのないNICU入院だからこそ、当事者の声を届けることの大切さを感じさせるわだちさんの漫画。「自分の子が頑張っていることを誰かに知ってほしい」というパパさんの思いが、多くの人の心に響いたようです。
わだちさんは自身の体験をより多くの人に知ってもらえるよう、「生まれてきた子がヒルシュスプルング病だったレポ」と、わだちの育児漫画つめあわせで無料公開しています。家族の奮闘や日々の思いが丁寧に描かれた作品です。
(Hint-Pot編集部)