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「嫌われることはあっても、好かれることはない」 元女性刑事の新たな挑戦 「ありがとう」と言われる環境を求めた指導の原点

公開日:  /  更新日:

著者:芳賀 宏

赤点の“常連”が教える立場に

 高校時代までは英語のテストで赤点の“常連”だったという明日美さんも、今では高度な英語を教えるだけのスキルを身につけています。誰でもそうなれるのでしょうか?

 改めて英語が苦手な人が英語に関心を持てるヒントをうかがうと、「まずは学習というより『洋楽は好きですか?』『洋画は好きですか?』とか、『ディズニーはどうですか?』という感じで、エンターテインメントの部分から入ってもらえたらと思います。実際、受講生の方にもそういう質問を投げかけるようにしています」とアドバイスしてくれました。

 コンサルタントとしてはまだ走り始めたばかり。警察官として充実した時間を過ごしてきた明日美さんは、今の仕事にもやりがいを感じ、「警察の仕事も英語の仕事も、どちらが上ということはありませんが、コンサルタントの方が長く続けたいと思える職業です」と話します。

「TOEICなどでスコアを上げたい人のサポートもそうですし、最近は社内で英語力が昇進のボーダーになるところもあるようなので、そんなときの“駆け込み寺”のような存在として認識してもらえたら。志の高い人のサポートができれば、福岡から国際的な人材がたくさん輩出されることになります」

 いつかは違う場所で活躍したいという思いもあるそうです。それでも「これまで多くのことを与えてくれた両親へ恩返しをし尽くすまでは、福岡を離れないと決めています。会社はリモートでいろいろなことに挑戦させてくれるので、ディスアドバンテージ(不利益)は感じません。それに、福岡人はめちゃくちゃ郷土愛がありますから」と充実した笑顔を見せました。

(芳賀 宏)

芳賀 宏(はが・ひろし)

千葉県出身。都内の大学卒業後、1991年に産経新聞社へ入社。産経新聞、サンケイスポーツ、夕刊フジなど社内の媒体を渡り歩き、オウム真理教事件や警視庁捜査一課などの事件取材をはじめ、プロ野球、サッカー、ラグビーなどスポーツ取材に長く従事。2019年、28年間務めた産経新聞社を早期退職。プロ野球を統括する日本野球機構(NPB)で広報を担当したのち、2021年5月から「地域おこし協力隊」として長野県立科町に移住した。