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「すみません。贈り物は受け取れないんです…」 日本人ママが日本の小学校で受けた逆カルチャーショックとは

公開日:  /  更新日:

著者:i-know

日本の学校への体験入学で受けたカルチャーショック

 うちの息子が小学校に通い始めた3年前は、そうしたギフトの風習を知らなかった私。今はご近所ママの影響もあり、クリスマスにだけ約20ドル分のプレゼントを渡すようになりました。

 そのような文化に身を置く私が一昨年、日本に一時帰国した際に、カルチャーギャップを感じた出来事がありました。日本滞在中、息子は公立小学校に1か月通学したのですが、事前に担任の先生との顔合わせがあり、ハワイでの習慣で手土産を渡しました。

 すると。先生は「すみません。贈り物は受け取れないんです……」と、申し訳なさそうな顔。このとき初めて、日本の先生は公務員という立場上、保護者から贈り物を受け取ることができないことを知りました。

 これは、日本で子育てをしている人にとっては当たり前のことかもしれません。しかし、ハワイで子育てをする私は、少なからずカルチャーショックを受けました。

 おそらく欧米出身で、現在は日本在住の親御さんも、日本の常識を知らずにプレゼントをあげてしまって丁寧に断られた、という経験をした人が少なくないのではと思います。

ハワイならではの贈り物文化も

 ハワイには、学校の先生以外にも、いつもお世話になっている“ある人”に贈り物をする風習があります。それは、ゴミ収集作業員(注:彼らも公務員)に、“ビール”を贈るというものです。

 まず、ハワイの戸建て住宅には各家庭専用のゴミ箱があり、それをゴミ収集車が一つひとつ収集しています。そこで、1年最後の収集日に、各家庭がゴミ箱の隣に“ビール”のケースを置いておきます。それをゴミ収集車と併走する、別のトラックに乗る人が回収するという流れです。

 これはアメリカ本土にはない、ハワイだけの伝統だそうです。とはいえ、マンションが多い都会の地域では、少しずつこの風習がなくなっているそうで、私が住んでいる片田舎では、まだこの光景が見られるといった感じです。

 日本でも人口が密集していない地域では、時間の余裕があるからか、宅配便や郵便配達員に差し入れを渡す人もいるそうですが、みなさんはいかがでしょうか?

 人への感謝は心の中で思うだけでなく、目に見えるプレゼントで示すことがお互いにハッピーかもしれないなと、ハワイの風習を通して思った次第です。

(i-know)

i-know(いのう)

大学卒業後、フリーランスライターに。お笑い雑誌やファッション誌で、著名人のインタビューを中心に活躍。34歳のとき日本のキャリアに一区切りをつけ、単身ニューヨークへ。その後、ハワイのロコ(地元民)と結婚し、現在は2人の子ども(8歳、6歳)をバイリンガルに育てるべく奮闘している。