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節電対策のつもりが冬は逆効果? 室外機のアルミ製カバーをプロがおすすめしない理由

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:伊藤 まき

エアコンの室外機に使用するアルミ製カバー(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
エアコンの室外機に使用するアルミ製カバー(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 直射日光による温度上昇や風雨を防ぐために、エアコンの室外機にアルミ製(銀色)のカバーをかけている家を多くみかけます。しかし、プロの目から見るとこうしたカバーの使い方には注意が必要なのだとか。なぜなのでしょうか。整理収納アドバイザーの伊藤まきさんにお聞きしました。

 ◇ ◇ ◇

冬は日光を遮らないことが暖房効率アップのカギ!

 冷房効率を高めたい夏は、カバーをつけたり、よしずを立てかけて日陰を作ったりすることで、室外機の温度上昇を抑えるのが効果的です。しかし、冬はその逆のことが起こります。

 暖房運転時、室外機は外気の熱を回収して室内に取り込んでいるため、日除け用のカバーで日光を遮ったり、通気が悪くなったりすると、暖房効率が低下してしまう可能性があるのです。

 室外機の周囲の空気が冷えすぎてしまうと、霜取り運転の回数が増え、余計な電気代がかかってしまうことも。霜取り運転が行われると、暖房運転が中断されてしまう機種があり、部屋がなかなか暖まらなくなってしまう場合もあります。

 そのため、エアコンを冷房から暖房に切り替える際は、日除け目的のカバーをはずすのが基本といえるでしょう。なお、室外機全面を覆うタイプのカバーは通気性が悪く、排出された冷たい空気が再度吸入されてしまうことで、熱交換の効率が下がりやすくなります。このタイプのカバーは、季節を問わず、使用に注意が必要です。

雪の多い地域は適切なカバーの使用が大切

 ただし、こうしたカバーが必要なエリアもあります。それは雪国。雪が室外機を覆ってしまうと、暖房効率が低下するばかりでなく、故障してしまうことも。防雪フードや、雪から保護するためのカバーは必ずつけるようにしましょう。

 エアコンを冷房から暖房に切り替えるシーズンは、枯れ葉が溜まるなど、室外機周辺にゴミが溜まりやすい季節でもあります。また、室外機カバーをつけっぱなしにしてしまうとカバーが劣化して、はがれ落ちた断片が散らばり、近所迷惑になってしまうことも。

 夏に使った日除けカバーをはずすときは、カバーの劣化を確認するとともに、室外機周りのゴミを掃除し、室外機がきちんと働ける環境を整えてあげましょう。

(和栗 恵)

伊藤 まき(いとう・まき)

整理収納アドバイザー1級、クリンネスト2級。ホテル清掃員や国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出などで経験を積み、出版社に入社したのち独立。掃除しながら片づける「整理収納のプロフェッショナル」として各種ウェブメディアで記事を手がけ、掃除本の編集ライターとしても活躍中。
インスタグラム:maki_organize