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重婚日記~笑撃の18年間~ 第10話「日本人の知らない、戸籍のない世界」
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戸籍のある日本で「国内で重婚」が起こり得るとは――。役所に提出した婚姻届は正式に受理済みでしたが、本人も気づかないまま制度の盲点にはまっていたようです。普通の結婚生活のはずが、想定外の出来事が続き、日常は一変しました。何が本当で、何が嘘だったのか。これは、波乱と笑い、そしてレジリエンスに満ちた、ひとりの女性の実話です。
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日本の戸籍制度では重婚が成立しない
日本には世界でも極めて珍しい、家単位の厳格な戸籍制度がある。日本人の婚姻情報は、この制度により全国一律で管理されているので、日本人同士での重婚は発生し得ない。
一方、戸籍制度のない諸外国においては、制度では重婚を防止できないので、相手が独身であることを自分で確認しなくてはならない。つまり、自己責任ということ。戸籍制度で重婚から守られてきた日本人には、なじみがないシステムだ。私自身も、重婚だなんて考えたこともなかった。
国内での国際結婚でも、外国人は戸籍制度に入らない
私のケースも、まさにここに落とし穴があった。
外国人と結婚しても、日本人配偶者の戸籍の身分事項欄に付記されるだけで、戸籍制度の内側に入るわけではない。なので、役所で外国人の婚姻履歴は照合できない。
とくに、アメリカのように州単位での婚姻管理しかされていない国の場合、大使館で独身証明が確認できないため、基本的に自己申告になる。うちの場合も、まさにそれだった。