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大掃除で見落としがちな意外な場所 掃除のプロが教える「高頻度接触ゾーン」とは
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教えてくれた人:伊藤 まき

年末の大掃除というと、床や水回り、窓周りなどを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。ところが、掃除のプロによると、多くの家庭で共通して見落とされがちな場所があるといいます。それは、家族が毎日のように手で触れている場所。汚れている自覚がないまま使い続けられ、掃除の優先順位からはずれやすい一方で、汚れや菌が蓄積しやすい“盲点”になりがちだと、クリンネストの資格を持つお掃除のプロ・伊藤まきさんは指摘します。どのように掃除すると良いのでしょうか。
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「触れる場所」は、雑菌やウイルスの温床
家族が頻繁に触る場所は、清掃用語で「高頻度接触ゾーン」と呼ばれています。ドアノブ、手すり、引き出しの取っ手、冷蔵庫のドア、電気のスイッチ、蛇口、トイレのレバーなどのほか、テレビやエアコンのリモコン、ドライヤー、電話機、ゲーム機のコントローラーなどが高頻度接触ゾーンに当たります。
人の手には、目に見えないさまざまな微生物が付着しています。その多くは、日常生活の中で問題になるものではありませんが、手を介して汚れや菌が広がることで、衛生面のリスクが高まることもあります。
また、皮脂汚れ(手アカ)が付着し、それを栄養としてカビが繁殖してしまうことも。家族の健康を守るため、できるだけまめに掃除することをおすすめします。
材質によって違うドアノブの掃除方法
ドアノブや手すり、取っ手などは木製であることも多く、注意が必要です。中性洗剤を薄めたぬるま湯を含ませ、固く絞った布で拭きます。その後、洗剤成分が残らないよう、きれいな水を含ませて固く絞った布で二度拭きしましょう。最後に、乾いたタオルで水分を残さないよう拭き上げればOK。
材質に問題がなければ、アルコール除菌シートでサッと拭くのも良いでしょう。アルコール除菌が可能な場所は、ステンレス、ポリ合板、硬いプラスチック、ガラスなどです。天然木は変色や劣化の原因になることがあるため、使用を控えたほうが安心です。
ラップをかけていてもしっかり掃除を
リモコンやコントローラーなどは、小さなボタン類がついていて隙間が多く、細かな汚れが付着しやすいものです。消毒用アルコールを含ませた布や、アルコール除菌シートなどで拭いたあと、ジェルクリーナー(スライム状の、汚れやホコリを付着させて取り除くクリーナー)を使えば、ボタンの隙間に詰まった汚れを効率良く取り除けます。
なお、リモコンにラップをかけて使用している家庭もありますが、ラップの表面にも手指の菌や汚れは付着します。「覆っているから清潔」と考えず、ラップを定期的に交換するか、ラップの上からでも除菌・清掃を行うことが大切です。
(和栗 恵)
伊藤 まき(いとう・まき)
整理収納アドバイザー1級、クリンネスト2級。ホテル清掃員や国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出などで経験を積み、出版社に入社したのち独立。掃除しながら片づける「整理収納のプロフェッショナル」として各種ウェブメディアで記事を手がけ、掃除本の編集ライターとしても活躍中。
インスタグラム:maki_organize
