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世界が称賛する日本の「もったいない」→アメリカでは? ドネーション文化から見る共通点

公開日:  /  更新日:

著者:i-know

普通自動車3台分ほどの大きさのトラック。寄付されたものを詰め込んで運んでいく【写真:i-know】
普通自動車3台分ほどの大きさのトラック。寄付されたものを詰め込んで運んでいく【写真:i-know】

「商品はなんでも返品可能」という言葉に乗せられて、つい物を買いすぎてしまうというハワイの人々。返品し忘れた洋服や、ストックがたくさんある缶詰は、寄付をするのが一般的だそうです。ハワイで子育て中の主婦ライターi-know(いのう)さんが、そんな“ドネートション文化”に学んだこととは? 第84回は「寄付が根付くハワイ」です。

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1つの町に1台はいるドネーション・トラック

 ハワイの大手ショッピングセンターでは、購入後90日以内であれば、開封した商品でも、使用したものでも「自分の好みではなかった」という理由で返品することができます。そのため、物を買うことが気楽で「気に入らなかったら、あとで返品すれば良い」と、洋服の試着もせず購入する人が少なくありません。

 日本の感覚だと「そんなに返品を受け付けてしまったら、お店側が損をするのでは?」と思うかもしれません。しかし、ハワイでは返品をし忘れてタンスの肥やしにしている人が多いので、逆に“返品可能”という仕組みが、購買行動を後押ししている面もあるように感じます。

 私の義理の姉は、まさに“返品し忘れる”タイプ。定期的に、値札がついたままの洋服を10着以上、私にくれるのですが、彼女のサイズではないものばかりなので「どうして、これを買おうと思ったんだろう?」と不思議に思います。

 いわく「安くて良いものを見つけたら、サイズに関係なく買ってしまう」そうで、その後、サイズが合う人を見つけてプレゼントするとのこと。そういった理由で回ってきた洋服は、私好みではないデザインも多く、それらをどうするのか……というと「ドネーション・トラック」に寄付することが多いです。

 ドネーション・トラックとは、もう使用しない洋服、おもちゃなどを受け付けてくれる寄付の仕組みで、1つの町に1台以上、停車しています。トラック脇に待機する職員からレシートをもらえば、確定申告の際にドネーション申告ができて、節税対策にもなるという利点も。

サイズアウトした洋服や使わなくなったおもちゃは、近所のママ友へ。いらないものはドネーション・トラックに寄付【写真:i-know】
サイズアウトした洋服や使わなくなったおもちゃは、近所のママ友へ。いらないものはドネーション・トラックに寄付【写真:i-know】

 ちなみに、子どものおさがりをもらう際やあげる際は、とりあえず大量の洋服を大きなバッグに入れ、「この中からいるものがあったらどうぞ。いらないものは寄付してね」と、声をかけるなどします。