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長ネギを切ったら緑の部分がヌルヌル…食べても大丈夫? 管理栄養士が解説
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教えてくれた人:藤田 えみこ

「根深ネギ」とも呼ばれる長ネギは、土の中で育った白い部分と、地上で光合成をして育った葉先の緑色の部分で分かれています。切ったとき、緑色の部分から、ヌルッとした透明な液体が出てきた経験はありませんか。このゼリー状のぬめりは、食べても問題ないのでしょうか。長ネギについて、管理栄養士の藤田えみこさんに伺いました。
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緑色部分のぬめり 正体は食物繊維?
長ネギの緑色の部分を切ったとき、ヌルヌルしたゼリー状のものが出てきて、食べて良いものか迷った経験があるかもしれません。もし、ぬめりが理由で緑色の部分を切り落として捨てているとしたら、もったいないことをしています。
このヌルッとした液体の正体は、ネギに含まれる粘質物で、多糖類の複合物が水でゲル化したもの。水溶性食物繊維のフルクタンなどが含まれ、血糖値の上昇をゆるやかにしたり、腸内を整えたりする働きがあるとされています。体に良い栄養成分なので、細かく刻んで薬味にしたり、汁物の具材にしたりして、ぜひ料理に用いてください。
そもそも、長ネギの緑色の部分には栄養がたっぷり含まれており、とくにβカロテンが豊富です。βカロテンは、必要なときに体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜などの抵抗力を高める効果があります。
また、独特の香り成分であるアリシンも多く含まれ、殺菌作用や疲労回復を助ける働きが期待できるでしょう。美肌や免疫機能を高めるのに欠かせないビタミンCも多いのが特徴です。
なお、ぬめりが異臭を放っている場合は、腐っている可能性があります。食べるのは避けましょう。
新鮮な長ネギの見分け方、保存のコツ
長ネギを丸ごと1本購入する際は、全体がしっかりと巻いているものを選びましょう。新鮮な証拠です。また、重量感があるものがみずみずしいとされています。
白い部分と青い部分との境目が、はっきりしているものがおすすめです。白い部分の太さが均一で、まっすぐ長いものが良いでしょう。
長ネギは乾燥に弱いため、買ってきて袋に入ったまま野菜室で保存していると、あっという間にしなびてしまいます。緑色と白色部分に分けて適度な長さにカットしたら、ラップできっちりと包み、保存袋に入れて、できれば立てて冷蔵しましょう。
旬の季節にたくさん購入して、使い切れなさそうなときは、冷凍保存がおすすめ。薬味用に刻んで保存袋に入れて冷凍保存しておくと、料理に手軽に使えて便利です。
長ネギの栄養メリットを逃さない工夫
長ネギの栄養メリットを逃さないためには、生で食べるか、スープや鍋料理など汁ごと食べる料理にすると良いでしょう。フルクタンなどの水溶性食物繊維やビタミンCに加え、長ネギの辛味成分で、疲労回復や血行促進に役立つアリシンも摂取できます。ただし、ビタミンCやアリシンは加熱で減少しやすいため、薄めに切って直前に加えるほうがおすすめです。
油と一緒に摂取すると、βカロテンの吸収率が高まります。汁物の仕上げに、オリーブオイルなどを数滴垂らしても良いでしょう。アリシンは減少しますが、油を引いたフライパンでじっくりと焼いても、甘味が増しておいしいです。
これから風邪が気になる季節。長ネギを上手に活用して、毎日の健康づくりに生かしましょう。
(Hint-Pot編集部)
