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動かせないから放置しがち 重い家具の下や背面に潜むホコリとカビ… 年末に一掃する掃除のコツをプロが解説
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教えてくれた人:伊藤 まき

ソファやタンス、ベッドなどの大きな家具は、簡単に動かせないため、つい表面だけの掃除になりがちです。気がついたときには、ホコリがうず高く溜まり、ダニやカビの温床になっていた……というケースも少なくありません。「大掃除は、家族みんなで取り組むもの。夫や息子など、男手を借りられるこのタイミングこそ、大型家具の掃除に最適です」と語るのは、掃除のプロ・伊藤まきさん。今回は、重い家具を動かすコツと、効率的な掃除方法について教えていただきました。
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重い家具は移動の際の工夫が大切
サイドボードやテレビ台、ベッド、ソファなど、下部に隙間がある大型家具は、どうしてもホコリやゴミが溜まりやすいもの。掃除機のノズルが奥まで届かず、掃除を後回しにしてしまうことも多いのではないでしょうか。
キャスター付きであれば簡単に動かせますが、多くの大型家具にはキャスターがついていません。設置してから一度も動かしていないというご家庭も、珍しくないようです。清潔で気持ちのいい新年を迎えるためにも、家族で協力しながら家具を動かし、しっかり掃除しておきましょう。
年末年始の大掃除でとくにきれいにしたいのは、家具の下の床面と背面。まずは家具を動かし、床に溜まったホコリやゴミを掃除機で吸い取ります。その後、水拭きをして仕上げましょう。
結露が発生しやすい窓際や壁側は、アルコール除菌をプラスすると、より効果的です。アクセサリーやおもちゃなど、思わぬ落とし物が見つかることもあるため、掃除機をかける前に一度確認しておくと安心です。
「家具スライダー」を取りつけておくと掃除が楽に
家具の背面は木地がむき出しになっていることが多く、細かなホコリが引っかかりやすい場所。まず掃除機でおおまかなホコリを取り除き、その後、水で濡らして固く絞った雑巾で、木目に沿って丁寧に拭き取ります。
もし結露によってカビが発生している場合は、カビ取り剤を含ませた布でやさしく拭き取り、濡れ雑巾で二度拭きを。その後、サーキュレーターなどで風を当て、しっかり乾燥させましょう。天然木などは色落ちの可能性もありますが、背面で目に触れない部分。カビを放置するより、多少の変化は許容すると考えるのもひとつの判断です。
家具を引きずると床に傷がつくおそれがあるため、足元に毛布を敷いたり、台車を使ったりして慎重に移動を。可能であれば、脚裏の汚れを落としたうえで、フェルトやプラスチック製の「家具スライダー」を取りつけておくと、今後の掃除も楽になります。
家具を元に戻す際は、通気性を意識することも大切。壁との間に少し隙間を空け、風が通る配置にすることで、カビやにおいの発生を防ぐことができます。
(和栗 恵)
伊藤 まき(いとう・まき)
整理収納アドバイザー1級、クリンネスト2級。ホテル清掃員や国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出などで経験を積み、出版社に入社したのち独立。掃除しながら片づける「整理収納のプロフェッショナル」として各種ウェブメディアで記事を手がけ、掃除本の編集ライターとしても活躍中。
インスタグラム:maki_organize