からだ・美容
医師が教える二日酔い回避術 お酒1杯ごとにセットしたほうが良い飲み物とは
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:谷口 英喜

年末年始は、忘年会や新年会など、お酒を楽しむ機会が一気に増える時期。しかし翌朝になると、「顔がむくんでいる」「頭がぼんやりする」といった不調を感じることもあるでしょう。実は「二日酔い」と感じるこの不調は、体内の水分バランスやエネルギー代謝が乱れることで起こるといいます。済生会横浜市東部病院の医師・谷口英喜先生に、宴会シーズンでも翌日を元気に迎えるためのお酒との付き合い方を伺いました。
◇ ◇ ◇
翌朝の不調の正体は「脱水」と「肝臓疲労」
お酒を飲むとトイレが近くなるのは、アルコールが抗利尿ホルモンの分泌を抑えるため。体内の水分が排出されやすくなり、血液が濃くなることで、細胞レベルでの脱水が進みます。
さらに、アルコールを分解する肝臓もフル稼働。大量の水分とエネルギーを消費するため、翌朝には脳や体に十分なエネルギーが届かず、「だるい」「集中できない」といった状態に陥ることがあるのです。
冬は喉の渇きを感じにくく、暖房による乾燥も加わるため、知らないうちに脱水が進みやすい点にも注意が必要です。
二日酔いを防ぐ飲み方と、翌朝ケアの4つのルール
1. 空腹で飲まない
食事をとらずにお酒を飲むと、アルコールが急速に吸収され、肝臓への負担が増します。飲み始める前に、たんぱく質や脂質を含む軽い食事をとるのがおすすめ。チーズ、枝豆、ゆで卵、ナッツなどが適しています。
2. 「お酒1杯に水1杯」をセットに
アルコールには強い利尿作用があります。お酒と一緒に水やお茶を飲むことで、脱水を防ぎ、血中アルコール濃度の急上昇を和らげるとされています。
3. 魚介系のおつまみを選ぶ
イカやタコ、しじみ、あさりなどに多く含まれるタウリンは、肝臓の解毒を助ける成分。おつまみに魚介類をたっぷりとると、アルコール代謝をサポートし、内臓疲労の回復を助けるとされています。
また、タウリンには免疫細胞を守るはたらきもあるので、感染症の流行る冬場の体調管理にも役立ちます。水溶性の栄養素なので、お鍋などでスープも一緒にいただきましょう。
4. 翌朝は「水分+糖分」を意識
飲んだあとにラーメンやお茶漬けが食べたくなるという人も多いでしょう。これは、水分と糖分が不足しているためです。翌朝の頭痛やだるさも、脱水と低血糖が原因。起床後は、補給した水分が効率よく吸収される経口補水液やスポーツドリンクで水分と電解質を補給し、お粥やうどん、果物など、消化の良い食事をとりましょう。