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「断れない嫁」でいることをやめた年末 三回忌を機に線を引いた女性の決断 夫婦カウンセラーの見解は

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:夫婦カウンセラー・原嶋 めぐみ

「夫婦で事前に決め、夫から義妹に伝えてもらうことが大切」

 夫婦カウンセラーの原嶋さんは、次のようにアドバイスを送ります。

「義母が入院している間に圭子さんが自発的に動いたことで、周囲に『庭のことをやる人は圭子さん』という、無意識の認識が固定されてしまったのでしょう。これは悪意ではなく、関係性の中で自然に起きてしまうずれです」

 しかし、義母が亡くなり、家を相続したのが義妹である以上、庭の管理や家の維持は本来、義妹自身の責任になります。

「圭子さんが『もう庭の手入れは卒業する』と伝えたのは、とても健全な境界線の引き方です。ここで無理を続けてしまうと、いずれ関係そのものが壊れてしまいます」

 問題なのは、夫の「手伝ってやってよ」という言葉だと原嶋さん。

「このひと言がある限り、圭子さんは“断れない立場”に戻されてしまう。まず、夫が『実家ではなく、妹の家に行っているのだ』という認識に切り替える必要があります。そのうえで、今後は行くなら何をするのか、何をしないのかを夫婦で事前に決め、夫から義妹に伝えてもらうことが大切」だといいます。

 圭子さんが自分の限界を言葉にしたことは、「夫婦関係を守るための第一歩だった」と原嶋さん。夫と義妹の理解を得られない場合は、無理をしないで関われる距離を探すのも、長くつきあっていくために必要なことだとエールを送りました。

(和栗 恵)