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注意したいノロウイルスなど冬の食中毒 年末年始の料理で見落としがちなリスク ついやりがちなNG行為とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

中心までしっかりと加熱 体調が悪いときは調理をしない

 調理で手洗いと同じくらい大切なのが、十分な加熱です。食中毒の原因となる多くのウイルスや細菌は、熱に弱く、加熱によって死滅します。調理の際に、中心までしっかり火を通すことを心がけましょう。

 肉類は、中心部が生焼けのままだと、カンピロバクターや腸管出血性大腸菌(O157など)が残っている場合があります。中心部までしっかり加熱(75度以上で1分以上を目安に)してください。また、二枚貝のカキを調理する際も、十分な加熱が必要です。ノロウイルスを死滅させるには、85~90度で90秒以上の加熱が必要とされています。

 ノロウイルスに感染した人が調理すると、食品を介して感染を広げてしまうおそれがあります。下痢や嘔吐などの症状がある場合や、体調がすぐれない場合は、調理に携わらないようにしましょう。

食中毒の予防を心がけ、楽しい食卓に

 厚生労働省によると、家庭で細菌性食中毒を予防するための3原則は、細菌を食べ物に「つけない」、食べ物に付着した細菌を「増やさない」、食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける」ことです。

 一方、ウイルス性食中毒の予防には4原則があり、ウイルスを調理場内に「持ち込まない」、食べ物や調理器具にウイルスを「ひろげない」、食べ物にウイルスを「つけない」、付着してしまったウイルスを加熱して「やっつける」ことが大切としています。

 冬の食中毒は、夏と比べると予防の意識が薄れやすい傾向にあります。手を清潔に保つことを前提に、予防の原則を心がけて、年末年始の食卓を楽しみましょう。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾