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「おせちは保存食」だから安心? お正月に気をつけたい食中毒 管理栄養士が警鐘
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教えてくれた人:藤田 えみこ

おせち料理やごちそうが並ぶお正月。食べて、飲んで、のんびりとした時間を過ごす人もいるでしょう。しかし、気をつけたいのが食中毒です。寒い季節は菌の活動が弱まると思いがちですが、実は少しの油断が重なることで、食中毒の原因になることも。お正月だからこそ気をつけたいポイントについて、管理栄養士の藤田えみこさんに伺いました。
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近年のおせちは保存食とはいえない?
おせちはもともと、お正月に家事を忘れてゆっくり過ごすために作る保存料理です。塩や砂糖、酢などを多く使って濃い味付けにするなど、日持ちするように工夫されたものでした。
しかし、近年のおせちは食材や調理法が多様化し、昔のような「保存食」という側面が薄れています。さらに、住宅環境も大きく変わり、暖房の効いた室内で飲食することが当たり前になりました。これは、菌にとって心地良い環境になっているといえるでしょう。
お正月は家族や来客と過ごす時間が長く、おせち以外にも魚介や肉料理など、ごちそうを楽しむこともあります。「あとでもう少し食べるから」とか「せっかくだから食卓に並べておこう」などの思いから、料理をしばらく置いたままにするかもしれません。本来は冷蔵が必要な食べ物を、温かい部屋に長時間出しっぱなしにしておくことで、菌が繁殖しやすくなり、食中毒の原因になることもあります。
直箸や素手で料理に触れるのはNG
さらに注意したいのが、口をつけた箸や素手で取り分ける行為です。人の手や口の中には常に菌が存在しており、それが食品に付着した状態になると、時間の経過とともに雑菌やカビが繁殖する可能性があります。
お正月のおせちやごちそうは、重箱や大皿に盛りつけられていることが一般的です。取り分けるときは、素手や直箸を控え、清潔な菜箸やトングを使いましょう。
複数人が触れた料理を、翌日に持ち越さないことも大切です。別の容器に取り置きして、冷蔵庫で保存すれば安心だと考えられやすいのですが、手や口の菌の付着を考えると、そうとは限りません。食卓に並べた料理は食べ切るか、または食べ切れる分だけ盛りつけることをおすすめします。
冷蔵庫に詰め込みすぎない
年末からの買い置きなどもあり、お正月の冷蔵庫は、食品でいっぱいになりがちです。庫内がぎゅうぎゅうになると、冷気の循環が悪くなり、場所によっては温度が上がってしまうことがあります。冷蔵しているつもりでも、菌がゆっくりと増えやすい環境になっていることもあるので、詰め込みすぎには注意しましょう。
また、庫内で生肉や魚のパックから汁が漏れて、ほかの食品に付着することも。これらの汁にはサルモネラ菌やカンピロバクター、大腸菌などが含まれている可能性があり、庫内で二次汚染が起こるリスクがあります。生肉や魚のパックは袋に入れ、しっかりと密封して保存しましょう。汁漏れを見つけたときは、すぐに拭き取りとアルコール消毒を行ってください。手洗いも忘れずに。
年始を気持ち良く過ごすためにも、保存や取り扱いの基本を意識して、おいしいお正月を楽しみましょう。
(Hint-Pot編集部)
