Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

どうぶつ

武豊騎手と挑んだ有馬記念から7年 オジュウチョウサンの「今」 現役時代は「ヤバイ」→牧場スタッフが明かす引退後の姿とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

放牧地で元気に過ごすオジュウチョウサン【写真提供:Yogiboヴェルサイユリゾートファーム】
放牧地で元気に過ごすオジュウチョウサン【写真提供:Yogiboヴェルサイユリゾートファーム】

 年末を彩る競馬の祭典・有馬記念。この舞台にかつて挑んだ障害競走の絶対王者・オジュウチョウサン(牡)は今、北海道の「Yogiboヴェルサイユリゾートファーム」で、種牡馬として穏やかな日々を送っています。2022年末に引退してから約3年が経過し、現在14歳。中山大障害3連覇、中山グランドジャンプ5連覇という前人未到の偉業を成し遂げ、2018年には平地復帰を果たして有馬記念にも挑戦した名馬の今を、同ファームの代表を務める岩崎崇文さんに伺いました。

 ◇ ◇ ◇

武豊騎手とのコンビで挑んだ有馬記念から7年

 2018年12月23日、オジュウチョウサンは障害競走の絶対王者として、平地競走の最高峰・有馬記念に挑戦しました。この時点で、障害レースのG1で5勝を挙げていたものの、カテゴリーが異なる平地のG1に挑むという異例の試み。そして、日本競馬界のレジェンド・武豊騎手を鞍上に迎えたことも大きな話題となりました。

 結果は9着でしたが、道中は2番手を追走し、最後の直線では先頭をうかがおうかという見せ場を作りました。障害レースで大活躍中だった時期の有馬記念への挑戦は、競馬史に残る出来事として語り継がれています。

 それから7年。オジュウチョウサンは今、静かな北海道の牧場で、穏やかな時間を過ごしています。

「ヤバイ」と聞いていたが…実際は「猫をかぶっているのかな」

 オジュウチョウサンは11歳という高齢までターフを盛り上げ、2022年12月の中山大障害を最後に引退しました。その後、故郷の坂東牧場での繋養を経て、Yogiboヴェルサイユリゾートファームにやってきたのは2023年1月。そこから、もう3年ほどになります。

 ファームのスタッフは、現役時代に調教に携わっていた仲間から、気性面で「ヤバイ」という話をずっと聞いていました。そのため、引退から時間が経っているとはいえ、入厩当初は少し身がまえていました。

 ところが、実際に様子を見たときの印象は、スタッフみんなで「たいしたことないな」「猫をかぶっているのかな」という感じでした。オジュウチョウサンの父は、気性が激しいといわれるステイゴールド。その産駒にしては、まあまあおとなしいほうなんじゃないかと思います。

 現役時代に「乗るとヤバイ」とは聞いていましたが、やはり「乗る」のと「扱う」のでは違うようですね。牧場での生活では、思っていたよりもずっと扱いやすい馬です。