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仕事・人生

「私が、できるようになればいい」 加藤茶さんの妻・綾菜さんが介護の道を究めようと決意したワケ

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

今年6月に「介護予防運動指導員」を取得したことを報告した加藤綾菜さん【写真提供:加藤綾菜】
今年6月に「介護予防運動指導員」を取得したことを報告した加藤綾菜さん【写真提供:加藤綾菜】

 夫・加藤茶さんの健康を支えるため、今年6月に「介護予防運動指導員」の資格を取得した加藤綾菜さん。結婚から15年、食事や生活面だけでなく、運動のサポートにも本格的に向き合うようになりました。資格取得の背景には、加藤さんが運動指導を受けるなかで覚えた、ある小さな違和感があったといいます。家族として日常を見てきたからこそ気づいたこと、そして「自分にできること」を考えた末の決断でした。家族のために続けてきたことが、いつの間にか仕事や活動の幅を広げていく――。綾菜さんが見つけた「介護」というテーマについて、率直な思いを聞きました

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優しい加藤さんのために資格取得を決意

 加トちゃんの体を一番わかっているのは、やっぱり私だなと。

 そう思うようになったことが、今年6月に「介護予防運動指導員」の資格を取得した一番のきっかけでした。この資格は、高齢の方ができるだけ長く、元気で自立した生活を送れるように、運動の面からサポートするためのものです。

 これまでも、加トちゃんを支えていくために、介護福祉士実務者研修など、介護に関する勉強はいくつか重ねてきました。今回改めて運動の資格を取ろうと思ったのは、加トちゃんが運動しているときの姿を見て、気になることがあったからです。

 加トちゃんは今もめちゃめちゃ元気とはいえ、もうすぐ83歳。筋肉を保持するための運動をしてほしくて、ジムなどへ行ったんです。でも、加トちゃんは以前、大動脈解離を経験していて、胸に大きな傷があります。

 だから、腕をグッと伸ばすだけでも傷が引きつれ、とても痛いそうで。それなのに優しいから、指導員さんに「痛い」とは言えない。そんな様子を見ていたら、私ができるようになればいいんだ! って思って。

 それで猛勉強して、資格を取って。今は高齢者のための運動と、加トちゃんのプロとしての知識を合体させて、オーダーメイドでプログラムを作っています。もちろん、運動といっても、若い方が筋肉をつけるための運動とはまったく違うんですよ。

 たとえば、壁に手を添えて片足を上げるとか、椅子に座って立ち上がるだけでOKの、名づけて「加トちゃんスクワット」とか(笑)。どれも、若い人たちからすれば「それ、本当に効くの!?」と思うような、小さなトレーニングばかりです。でも、家でもこうしてバランス能力を鍛えていたら、本当に歩いていても全然つまずかなくなったんです!

 加トちゃん自身も「筋肉痛になっちゃった」「おしりに筋肉がついた気がする!」なんて、効果を実感しているようで。運動をすると気分転換にもなるし、「できた!」という達成感が自信につながるのもいいなと思います。