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「近所は震え上がった」 超大物OG訪問でSPだらけ 宝塚元トップ男役・麻路さきさんが語るブラジルでの驚きの日々

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部・瀬谷 宏

インタビュアー:竹山 マユミ

“ブラジルタイム”に困惑「とにかく時間を守らない(笑)」

ブラジルでの生活は麻路さきさんにとって驚きの連続だったそう【写真:山田隼平】
ブラジルでの生活は麻路さきさんにとって驚きの連続だったそう【写真:山田隼平】

竹山:ご結婚されて、ブラジルで生活されることに、迷いや不安はなかったですか?

麻路:迷っている暇がなかったというのが本音ですね。退団が決まって「何月に辞めるから、それまでに準備しなきゃ」と思い始めたのは、本当にギリギリになってから。それまでは、とにかく目の前の舞台がすべてでしたし。

竹山:退団されて、すぐに行かれたのですね。実際に、ブラジルでの生活はいかがでしたか?

麻路:タカラジェンヌって、一日のほとんどを劇団で過ごすでしょう? 自炊をする時間もほとんどない生活から、いきなり家事のすべてをやらなきゃいけなくなって。最初はポルトガル語を覚えるところから始まり、「あ、これもできない、あれもできない」と、学ぶことだらけの日々でした。

竹山:ブラジルでは大家族だったそうですが、ご苦労などはありましたか?

麻路:私が嫁いだ先は、親戚が集まると20人以上にもなるような「昭和の大家族」のような環境でした。日系人の方も多く、日本語も普通に通じたので、寂しさを感じる暇がないほど。頼れる人が周りにたくさんいて、みなさんすごく良くしてくださったので、まるで「新しい劇団」という別の団体に入団したような感覚でしたね(笑)。

竹山:宝塚でのご経験が生きているということですね! 文化の違いに戸惑うことはありませんでしたか?

麻路:なんと言っても「時間」ですね。ブラジルの方っておおらか……という言い方をすれば聞こえはいいですけど、とにかく時間を守らない(笑)。「夜の8時に集まろう」と約束しても、8時に来る人はひとりもいない。料理が始まるのが8時半だったりします。

 宝塚時代は5分前スタンバイが当たり前という、時間に厳格な世界。最初はもう「5分前でしょ!」って、ずっとひとりで怒っていました(笑)。でも、どんなに待ってもみんな来ない。今では、予定時間の1時間前の時間を伝えています。すると、ちょうどいい時間に始められます(笑)。

竹山:宝塚時代のお仲間が、ブラジルまで遊びに来ることもあったのですか?

麻路:同期のちあき(しん)が、ニューヨークへ歌の勉強に行っている最中の夏休みに、遊びに来てくれたことがあります。あと、10年くらい前かな? タモ(愛華みれ)ちゃんが仕事で来たこともありました。アマゾンに行かなきゃいけないテレビの仕事だったらしくて。そのついでに、うちに寄ってくれたんです。

 あと、ほかにも(宝塚OGで)政治家の扇千景先生が、ご主人の坂田藤十郎さんと一緒にいらしたときはすごかったです。扇先生が参議院議長をされていたこともあり、ブラジルと日本のSPが両方つくんです。空港からの移動は車を全部止めるし、信号も関係なし。家に来るまでの道が全部封鎖されて、パトカーだらけ。家の前には拳銃を所持したSPがたくさん立っている……。近所の人は「殺人事件か強盗でもあったのか」と震え上がっていたと思います(笑)。