仕事・人生
「いただいた命を無駄にせず、循環させていきたい」 牧場スタッフに転身した元公務員女性がハンターとして向き合う現実
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北海道の町役場職員から、道内のせたな町にある牧場スタッフへと転身した坂本寿々子さん。現在、狩猟にも携わっています。さまざまな分野で活躍する女性たちにスポットを当て、その人生を紐解く連載「私のビハインドストーリー」。後編は、坂本さんのもう1つの顔であるハンターとしての活動や、命との向き合い方について伺いました。
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役場時代の出会いが狩猟へのきっかけに
坂本さんが狩猟に興味を持ったのは、平取町役場時代に有害鳥獣駆除の担当部署に配属されたことがきっかけでした。そこで出会ったハンターたちの知識の深さに触れ、現場で適切に処理されたジビエのおいしさにも感動を覚えたといいます。
「ハンターという職人の世界で対等に話せるようになりたい」という思いから、自身も2021年に狩猟免許を取得しました。
異例のクマ出没となった2025年 せたな町では捕獲数が3倍強に
ひらかわ牧場での業務のかたわら、休みの日は狩猟活動をしています。
「冬は狩猟期間なので、月に3回ほど活動しています。地元のせたな町での活動に加え、以前住んでいた平取町へ遠征することもあります」
冬以外の時期も、有害鳥獣駆除として狩猟しています。とくに2025年は、全国的にクマの出没が相次ぎ、大きなニュースになりました。坂本さんのいるせたな町も例外ではありません。
「今年はクマの被害が多く、通常なら年間30頭程度の捕獲数が、今年は100頭を超えています」
有害鳥獣駆除の現場は、かつてないほど忙しい年となりました。猛獣と向き合うときに、怖さはないのでしょうか。
「私は散弾銃なので、距離的なものとか殺傷能力とかを考えたときにリスクが高いのもあって、基本的には先輩ハンターがいるときにしかクマは狙いません。ですが、見回りのような形で招集がかかったときは、撃つ覚悟を持っていかないと意味がないですし、ばったり遭遇してしまった場合は自分の身を守るために撃つ覚悟は持っています」
牧場での仕事がある日でも、先輩ハンターから「クマが獲れたから手伝ってくれ」という連絡が入れば、朝の作業が終わる9時頃から昼の仕事が始まる午後1時半頃までの間に、解体の手伝いをすることも。また、罠の見回りに行くこともたびたびあるそうです。
