Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

ライフスタイル

マンションの騒音問題 子どもの生活音がうるさい… 悩む方と悩まされる方、互いの言い分

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

「落としどころ」はあるのか… コミュニケーションやお互いの歩み寄りは難しい?

 多くの有識者から、隣人トラブル解消のために「コミュニケーションが大切」との意見が聞かれますが、その観点から見ると玲子さんのケースでは注意をされた時に「とっさに言葉が出なくなってしまい、状況を説明することができなかった」ということでつまずきがあったと言えそうです。息子さんの夜泣きもそれほど長くかからず終わりそう、という事情を上階の人に告げることができれば、相手も「それならもう少し我慢しよう」と、ある程度理解してくれるかもしれません。

 佐千恵さんのケースは、逆に「うるさい」ことを下の階の人に伝えていないことにつまずきが。相手は「自分たちがうるさくしている」ことに、まったく気付いていない可能性が高いのです。気が付いていない人に対して「静かにしてほしい」と心の中で願っても、気付いてくれることはないでしょう。こうしてお互いのコミュニケーションが足りないことが発端となり、騒音問題は徐々に大きくなってしまうことがあると言えそうです。

 また、マンションでちょっとした音を防ぐコツとしては、防音マットを敷く、防音カーテンを付けるなどが挙げられます。音は壁を伝って響くので、床と天井だけでなく、壁に貼り付けるクッションシートのようなもので対策することで、音の伝わりを抑えることが可能になるようです。

 一方で、音に敏感になりすぎて「気にしすぎている」ことも。一般的に音は40~60デジベルの範囲であれば快適に過ごせるレベルだとか。騒音計で計ってみると、意外にも「あれ? そこまで大きな音じゃなかった!」ということもあるそうです。スマホで無料ダウンロードできる「騒音計」アプリがあるようなので、気になる場合は利用してみても良いかもしれません。

 隣人の顔すら覚えておらず、見ず知らずの人同士がともに暮らす現代社会。生活する上で避けられない「音」のトラブルはなかなか解消しにくいものと言えそうです。であれば、その「音」を「ある程度許せるもの」にできるような互いの理解と歩み寄りができる関係になれれば良いのかもしれませんが……。前述の玲子さんも佐千恵さんも、いまだ解決策には至っていないようです。

(和栗 恵)