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発達障害の女性が結婚、入籍報告に「子どもは作るな」 非情な声に心痛 葛藤の末の決断「二人で…」

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム

発達障害や精神障害を抱える当事者の日常や、B型作業所に通う様子などを包み隠さず公開

天羽愛華さんとパートナーの男性【写真提供:天羽愛華(@o2_nmo)さん】
天羽愛華さんとパートナーの男性【写真提供:天羽愛華(@o2_nmo)さん】

 自身の過去を振り返り「20歳で死ぬことだけが生きる希望でした」という天羽さんが、運命の出会いを果たしたのは19歳のとき。共通の友人の紹介で、オンラインゲームを通じて仲良くなった現在のパートナーと交際を始めました。当初は相手も発達障害への理解が十分ではなく、一時は破局したものの、自分のことを懸命に理解しようと努力するパートナーの姿にほだされ復縁。当時は関東と四国の遠距離恋愛でしたが、彼の引っ越しを機に、二人の関係はさらに親密なものになっていきました。引っ越し先の仕事は、放課後等デイサービスのスタッフ。天羽さん自身は利用者ではありませんでしたが、発達障害への理解を深めるために、天羽さんの友人の紹介で働き始めたといいます。

「正直、20歳で死ぬ予定の私には、一緒にいてくれる人なら誰でもよかったというのが本音です。それでも、私のために本気で変わろうとしてくれる姿を見て、死にたいと思うのが当たり前な毎日が、初めて生きたいと思えるものに変わりました」

 4年の交際と2年半の同棲を経て、結婚も意識し始めたものの、道のりは平坦なものでは
ありませんでした。「自分たちだけでやっていけるのかという不安から、最初は結婚ではなく、パートナーシップ契約を結ぼうと思っていました」。それでも、両家の家族も交えた話し合いを何度も重ね、この度、正式な結婚という形で結ばれることになりました。

 現在はSNSを通じ、発達障害や精神障害を抱える当事者の日常を発信。朝自分では起きられず、寝たままの状態でパートナーに薬を飲ませてもらう姿や、B型作業所(障害や難病により就労が困難な人が、雇用契約を結ばずに軽作業などの生産活動を行い社会参加を目指す障害福祉施設)に通う様子などを包み隠さず公開しています。

 今回反響を呼んだ「子どもを持たない」という選択も、二人で何度も話し合って導き出した結論でした。「金銭的な問題や遺伝の問題、一番は私が育てられる自信がないということ。自分が死にたいと思って生きてきたので、子どもに同じ思いをさせたくない。子どもは諦め、おじいちゃんおばあちゃんになるまで二人で過ごそう。そう決めました」。天羽さんは、長年の葛藤と覚悟の思いを込めそう口にします。

 今回の入籍報告を巡る一連の反響について、天羽さんは「子どもを作るべきではないというのは悲しいですが、正しいのかなとあらためて思いました」と複雑な思いを吐露。心ない言葉も多いネット上で、それでも発信を続ける理由については「少しでも障がいを知ってほしいという思いで発信をしているので、賛否両論ありたたかれることもありますが、これからも続けていきたいと思います」と決意の思いを語ります。

「ゆっくりゆっくり生きよう」と誓い合った二人。その言葉の重みは、生きることの痛みと喜びを知っているからこそ、生まれたものなのかもしれません。

(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)