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「最後になるかもしれない」 卒業式に現れた黒板アートに1.6万“いいね” アクシデントを乗り越え、教師が伝えたかったこととは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

黒板に、卒業生への思いを込めるRyoさん【出典:スレッズ(nekomasamune)よりスクリーンショット】
黒板に、卒業生への思いを込めるRyoさん【出典:スレッズ(nekomasamune)よりスクリーンショット】

 卒業式は、これまで過ごしてきた時間を振り返り、新たな一歩を踏み出す節目の日です。成長した生徒たちを、先生たちはどのような気持ちで見送るのでしょうか。スレッズでは、ある教師が制作した黒板アートと、そこに添えられたはなむけの言葉が反響を呼んでいます。多くの人の心を打った作品について、投稿者のRyo(nekomasamune)さんに詳しいお話を伺いました。

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制作途中でアクシデントも…感動的な黒板アート

「この春卒業されるすべてのみなさん、ご卒業おめでとうございます」との言葉を添え、スレッズに投稿された写真と動画。その一枚に写っているのは、漫画「ドラえもん」のキャラクターを描いた黒板アートです。

 色鮮やかなイラストには、「人にできて、君だけにできないなんてことあるもんか」という作中の名ゼリフと、卒業を祝う感動的な言葉が添えられています。

 チョークならではの温かなタッチと、鮮やかな色使いが目を引き、プロの作品を思わせるほどのできばえです。投稿された動画には、制作中の様子も収められています。

 投稿は1.6万件もの“いいね”を集め、リプライ(返信)には「こんな素敵な門出の言葉を見たら泣いちゃう」「こういう温かい先生に出会えた生徒たち、幸せでしたね」「どうしよう、卒業生でもなんでもないのに涙が出てくる」など、感動と称賛の声が多数寄せられました。

関わりは少なくても…黒板アートに込めた思い

 13日、自身が勤務する中学校での卒業式に合わせ、黒板アートを制作したRyoさん。当初は漫画「葬送のフリーレン」をモチーフにするつもりでしたが、黒板の状態に苦戦。再考の結果、「ドラえもん」モチーフの感動的な黒板アートが生まれました。

 この制作には、技術的な理由だけでなく、ある切実な背景もありました。校舎の建て替えに伴い、4月からは新校舎へと移ります。そこでは通常教室のすべてがホワイトボードになり、黒板は美術室に1枚残るのみ。Ryoさんは「卒業式での最後の黒板アートになるかもしれない」と考え、卒業学年の先生にお願いして描かせてもらったという経緯があったのです。

 制作にあたり、漫画やアニメの名言を調べるなかで、さまざまな名ゼリフが候補に挙がっていたといいます。作品を選んだ背景には「自分に自信を持ってほしい」「自分の可能性を信じて、いろいろなことに挑戦してほしい」という、旅立つ生徒たちへの強い願いが込められています。

 1時間半ほどで作品を完成させたRyoさん。描き進めていくうち、脳裏に浮かんできたのは、卒業生たちと過ごした日々の記憶でした。

「どちらかといえば関わりの少ない学年でしたが、一緒に授業をした1年間と、部活動で3年間ともに過ごした生徒たちとの他愛のない会話は、大切な思い出です」