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息子が難関私立中学校に合格 うれしいはずなのに「“ATM”扱いされている気がする」父のモヤモヤ

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:夫婦カウンセラー・原嶋 めぐみ

息子の中学受験がきっかけで、夫婦関係に亀裂が…(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
息子の中学受験がきっかけで、夫婦関係に亀裂が…(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 子どもの進学は、家族にとって大きな節目です。しかし、その裏では教育費や価値観をめぐり、夫婦の間に思わぬすれ違いが生まれることもあります。息子が難関私立中学校に合格したことを喜びつつも、なぜかモヤモヤが消えないという男性。家族のために働いているはずなのに「“ATM”扱いされている気がする」と感じてしまうのは、なぜなのでしょうか。夫婦カウンセラーに聞きました。

 ◇ ◇ ◇

うれしいはずの合格なのに、なぜか憂鬱に…

 関東地方在住の市野幸樹さん(仮名・40代)は、15年前に結婚。現在は一男一女を育てながら、共働きで家庭を支えています。大きなトラブルもなく、家事や子育てを分担しながら、穏やかな家庭を築いてきました。

 しかし最近、どうしても拭えないモヤモヤを抱えるようになったといいます。きっかけは、長男の中学受験でした。

「息子が志望校に合格したこと自体は、もちろんうれしいです。努力していたのを知っていますし、応援したい気持ちもあります。でも、入学準備を進めるなかで、なぜか気持ちがどんどん重くなってきてしまって……」

 その背景には、夫婦の教育観の違いがありました。妻は都会出身で、自身も小学校から私立に通っていたそうです。そのため、本当は小学校から受験させたいと考えていたものの、当時の家庭状況を踏まえ、最終的には「中学受験から」という形で折り合いがついたといいます。

「俺は少なくとも小・中学校は公立でも十分だと思っていました。でも、妻には“私立で育った価値観”があるので、中学受験を強く反対することができませんでした」

 そして長男は、都内でも難関といわれる私立中学校に合格。喜ばしい結果ではあるものの、幸樹さんの心には別の不安が膨らんでいました。

「中学校だけではなくて、その先には高校、大学、留学など、どんどんお金がかかりますよね。家計のことを考えると、正直プレッシャーが大きくて……。ときどき、全部投げ出したくなるような気持ちになることもあります」

 さらに、もうひとつ引っかかっていることがあるといいます。

「妻は、息子が合格したのは自分が塾の送迎をしたり、勉強を見てあげたりしたからだとよく話すんです。もちろん、それも事実だと思います。でも、教育費を出せるのは、俺が働いているからこそですよね」

 共働きではあるものの、教育費の多くは自分の収入に頼っているのが現状です。

「家族のために一生懸命働いているつもりなのに、感謝の言葉を聞くことはほとんどありません。なんだか、自分は“ATM”として扱われているだけなんじゃないか……そんな気持ちになってしまうこともあります」

 うれしいはずの息子の合格。それなのに、どうしても晴れないこのモヤモヤは、いったいどこから来ているのでしょうか。