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息子が難関私立中学校に合格 うれしいはずなのに「“ATM”扱いされている気がする」父のモヤモヤ

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:夫婦カウンセラー・原嶋 めぐみ

モヤモヤの正体はお金ではなく“承認不足”かも

 幸樹さんの話を伝え、夫婦カウンセラーの原嶋めぐみさんに意見を聞きました。

「今回の問題には、大きく2つのポイントがあります。ひとつは教育費に対する価値観の違いです。公立で十分と考える人もいれば、可能であれば私立に通わせたいと考える人もいます。どちらが正しいという問題ではなく、夫婦それぞれの育った環境や価値観の違いが表面化したケースといえるでしょう」

 ただ、幸樹さんが抱えているモヤモヤの本質はそこではない可能性があると、原嶋さんは指摘します。

「幸樹さんは『自分が働いているから教育費が出せる』という思いを抱えている。一方で妻は、働きながら塾の送迎や勉強のサポートなど、受験に向けた日常的な支えを担ってきた。つまり、お互い家庭のために努力してきたわけです」

 問題は、その努力が互いに十分認識されていないことだといいます。

「人は、自分の頑張りが見えていないと感じたときに強い不満を抱きやすいものです。幸樹さんのモヤモヤの正体は、お金の問題というより『自分の努力が評価されていない』と感じていることなのかもしれません」

 そのため原嶋さんは、まずは率直な気持ちを伝えることが大切だと話します。

「『家族のために働いているつもりなのに、少し寂しい気持ちになることがある』と、責める形ではなく、自分の気持ちとして伝えてみてください。そうすることで、妻が幸樹さんの思いに気づくきっかけになるかもしれません」

 さらに、関係を改善するためには、自分から感謝を言葉にすることも有効だといいます。

「感謝の言葉は、待っているだけではなかなか生まれません。まずは『いつもありがとう』と伝えてみてください。妻が受験期に担ってきた負担を認めることで、幸樹さんの努力にも目が向くようになる可能性があります」

 人はそれぞれ、違う形で家庭を支えています。お金を稼ぐことも、子どもの日常を支えることも、どちらも家庭にとって欠かせない役割です。

「どちらが大変だったかを比べるのではなく、お互いの努力を認め合うこと。それが、夫婦関係のモヤモヤを解く第一歩になると思います」

(和栗 恵)