どうぶつ
2匹の兄弟ねこに突然の別れ 「思いやり」の大切さを教えてくれた 元保護ねことの暮らしから学んだこと
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優しいギタールくんと自由奔放なシャンソンくん どんな時も一緒だった2匹
2匹をお迎えして数日後、注文したケージは届きましたが、普段の生活では、ケージはもう必要ありません。お掃除や窓を開ける時などに逃げないよう使うだけ。
「でも掃除機を出してくると、2匹とも自らケージの中に入っていくんですよ。『ここに入ればいいんだよね?』とでも言っているような顔で。その様子が本当におかしくて。まるで2匹で相談してるみたい。いつも一緒にいてお互いを思いやって。本当に仲良しでしたね」
いつも一緒にいた2匹ですが、シャンソンくんはどちらかというと自由奔放タイプ、一回り身体の大きなギタールくんは優しいお兄ちゃんのような感じで、シャンソンくんを弟のようにいつも優しく見守っていたそうです。
実はシャンソンくんは、生後8か月頃からずっと病院通いをしていたそうで、久保木さんがキャリーを出して病院に連れて行こうとする時も、弟思いのギタールくんは、すぐにシャンソンくんを守るような様子を見せていたといいます。
永遠に続くと思っていた幸せな時間に突然訪れた別れ 心の整理が付かない日々
久保木さんは、いつまでも幸せで穏やかな暮らしが続くと思っていました……。そんな矢先に突然ギタールくんを病魔が襲います。
「シャンくんは腎臓が悪くて、ずっと療法食を続けているんですけど、ギギくんは大きな病気にかかることもなく何の問題もないと思っていたんです。でも5歳の時の健康診断で『心臓が少し大きいかも。6歳になると“肥大型心筋症”になるねこちゃんが増えるから、少しでも気になる様子があったらすぐ来てくださいね』と言われて」
ギタールくんが6歳を迎えてから数か月が過ぎた頃、呼吸の速さが気になるようになりました。病院に連れていったところ、恐れていた“肥大型心筋症”と診断されたのです。そして病気が判明してからわずか17日後。ギタールくんは6歳と3か月という若さで、虹の橋を渡ってしまったのでした。
「徐々に食べられなくはなっていたんですけど、亡くなる3日前まで冷蔵庫の上に飛び乗ったり、シャンくんと2匹でじゃれ合っていたのに……。まさかこんなことになるなんて思ってもいませんでした」
久保木さんはあまりにも突然の別れに、ただただ悲しみや後悔の気持ちが襲ってきて、しばらくは心の整理ができなかったと言います。
病院で最期を看取り、ギタールくんを連れて家に帰った久保木さん。シャンソンくんはギタールくんの姿を見ると、後ずさりして2階に上がっていってしまったそう。
「今までと何か違うっていうのは分かったんでしょうけど、本当にびっくりしていて……。その後もしばらくは、何か音がするとギギくんが帰ってきたのかと思って、音がした方を見に行ってましたね。いつもそばにいてかわいがってくれていたギギくんがいなくなって、やっぱり寂しかったんだと思います」
どんな時も周りを気遣う優しさがあったというギタールくん。そしてシャンソンくんは、そんなギタールくんの背中を見て、心の優しい子に成長していったと言います。
いつも一緒で、お互いを尊重し合うように暮らしていたギタールくんとシャンソンくん。保護ねこだった2匹との生活する中で、久保木さんは「思いやり」の大切さを教えられたような気がしたそうです。
記事協力:プチミュゼ 公式フェイスブック:@petitmusee/公式ツイッター:@petit_musee/公式インスタグラム:@PetitMusee
(猫ねこ部)