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からだ・美容

「救急医の立場からはやめてほしい」 SNSで根強く続く“顔面ケーキ” 思わぬケガや失神のリスクを医師が警鐘

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

依然としてSNSでよく見かける顔面ケーキ。意外な危険性が(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
依然としてSNSでよく見かける顔面ケーキ。意外な危険性が(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 誕生日や結婚式の二次会などで見かけることがある「顔面ケーキ」。憧れの芸能人やインフルエンサーがやっているのを見て、一般の学生や若者がマネをし、SNSへ投稿するケースは依然として多くみられます。スマホひとつで簡単に、かつ“映える”動画が撮れるため、場を盛り上げるための手荒な祝福として定着している側面も。しかし、実はその裏には、医療現場の視点から見ると無視できない身体的リスクが隠されています。救急科専門医の境野高資医師に、その危険性について見解を聞きました。

 ◇ ◇ ◇

最もおそろしいのはケーキ内部の固定具

 顔面ケーキにおいて、境野医師が最も懸念しているのはケーキそのもののやわらかさではありません。実は、デコレーションや形状を維持するために使われている「固定金具」による怪我のリスクです。

 市販のデコレーションケーキには、持ち運ぶ際に形が崩れないよう、なかにプラスチック製のピンや竹串、あるいは金属製の支柱が底部に仕込まれていることがあります。

トレーロックが付いたケーキのトレー。顔を無理に押し付けて、ケガをしないよう要注意【写真:Hint-Pot編集部】
トレーロックが付いたケーキのトレー。顔を無理に押し付けて、ケガをしないよう要注意【写真:Hint-Pot編集部】

 クリームに覆われて外からは見えないため、勢いよく顔を押しつけた際にこれらが眼球を直撃し、深刻な眼外傷や顔面外傷を負うおそれがあります。「ただのケーキだからやわらかい」という思い込みは、非常に危険です。

 実際に2022年、アメリカで誕生日の場で顔をケーキに押しつけられた際、内部の木製支柱がまぶたに刺さったという事故が医学論文として報告されています。

突然の衝撃で「失神」してしまうリスクも

 また、怪我以外にも注意すべき反応があります。それが、強い衝撃や精神的な驚きによって引き起こされる「血管迷走神経反射」です。

 これは、自律神経のバランスが急激に崩れることで血圧や心拍数が下がり、脳への血流が一時的に低下する現象を指します。顔面を強く圧迫されたり、予想外の衝撃を受けたりすることでこの反射が起こり、失神を招くリスクがあるのです。

 お祝いの主役が突然意識を失い倒れ込んでしまうような事態になれば、せっかくの記念日が台無しになるだけでなく、転倒による二次被害も懸念されます。