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からだ・美容

春の肌荒れは紫外線のせいではない? ゆらぎ肌を悪化させるNGケアの落とし穴 医師が教える正しい対策とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:中野 貴光

日焼けだと思っていた肌の赤み。実は別の原因が潜んでいる可能性も(写真はイメージ)【写真:写真AC】
日焼けだと思っていた肌の赤み。実は別の原因が潜んでいる可能性も(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 春の陽気に誘われて、外出が楽しくなるこの季節。しかし、丁寧に対策をしているつもりなのに、なぜか肌の赤みやピリつきが治まらない……そんな経験はありませんか? 実は、この時期に肌トラブルを招いているのは、日差しそのものではないケースもあるようです。また、良かれと思って選んだその方法が、知らず知らずのうちに肌を追い詰める“落とし穴”になっていることも。春の肌に本当に起きていることと、私たちがやりがちな“NGケア”について、よしクリニック院長の中野貴光医師にお話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

肌の赤みは紫外線のせいではない? 春の肌に潜む“真犯人”

 春に「肌が敏感になった」「赤みが出る」と訴えて来院される患者さんは、非常に増えます。紫外線量が急増する時期であるため、赤みの原因は紫外線ととらえられがちですが、実はその原因が花粉症対策にあるケースは少なくありません。

 冬の厳しい乾燥を通り抜けてきた私たちの肌には、目に見えないダメージが蓄積されています。そこに追い打ちをかけるのが、花粉やPM2.5といった大気中の微粒子など、春に増える外的刺激です。

 地域によって花粉の飛散時期は異なりますが、たとえば関東では、スギ花粉が3月頃にピークを迎え、その後も4月にかけて飛散が続き、5月に入っても完全に収まるわけではありません。また、ヒノキ花粉は4月を中心に、年によっては5月半ば頃まで飛散が続くことも。さらにイネ科の花粉など、複数の花粉が重なる時期が長く続きます。

 こうして肌がゆらいでいる時期に「日焼けしたくないから」と、強い対策ばかりを優先するのは、実はやってはいけないケアのひとつ。春の肌にとっては、UVケアだけに注力するのではなく、抗ヒスタミン薬を内服するなど適切な花粉症対策を行うことこそが、結果として肌を守る近道になるのです。

「良かれと思って」が裏目に? 美容成分や服装に潜む“落とし穴”

 また、日焼け対策だけでなく、美白やエイジングケアのために「肌に良いはず」と信じて取り入れている習慣が裏目に出ることもあります。

 たとえば、人気のレチノール配合の化粧品。ターンオーバーを促す一方で、使い始めに乾燥や刺激を感じやすい成分です。次に、ビタミンC入りの化粧水は抗酸化作用などが期待される一方で、高濃度のものや肌状態によっては刺激になることがあります。

 バリア機能が低下し、花粉の影響を受けやすくなっている春の肌にこうした成分が重なると、乾燥を加速させ、肌トラブルをさらに悪化させてしまうおそれがあるのです。

完璧なケアではなく、肌へのいたわりを重視

 紫外線対策は、極端に“過剰な防御”を行う方と、まったく対策をしない“無防備”な方とで二極化している傾向がありますが、大切なのはバランスです。

 春に限らず、肌のダメージは少しずつ蓄積され、それが長期的なシミやシワへとつながっていきます。特定の期間だけ完璧を目指すのではなく、常に肌をいたわり、基本的な保湿と適切なUVケアを継続すること。これこそが、将来の自分の肌に報いるための本質的なケアになります。

 春であれば花粉のように、季節ごとに肌の敵は変わります。見極め、今の肌の状態に合わせたいたわりを忘れないでください。

(Hint-Pot編集部)

なかの・よしみつ

練馬駅徒歩2分、形成外科・皮膚科・美容皮膚科「よしクリニック」院長。幼児期に重度の熱傷を受傷し、皮膚移植手術を受けて一命を取りとめた経験から形成外科医を志す。筑波大学医学専門学群卒業。東京女子医科大学の形成外科学教室に入局。東京大学医学部形成外科への国内留学、日本大学医学部形成外科でのオープニングスタッフとしての赴任などを経て2年間、アメリカのテキサス大学に留学。帰国後、医学博士を取得。2019年6月に練馬で「よしクリニック」を開業。患者の立場に立ったわかりやすい説明と丁寧な治療で信頼を集めている。日本形成外科学会形成外科専門医、日本熱傷学会熱傷専門医、日本レーザー医学会レーザー専門医、日本手外科学会手外科専門医、日本形成外科学会小児形成外科分野指導医、医学博士。