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「通勤手当が実費に見合わず赤字に」 ガソリン価格高騰で増える悲鳴 マイカー通勤の交通費、見直してもらえる? 社労士が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:山城 宣之

直線距離での算出は不公平ではない?

高騰しているガソリン価格(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
高騰しているガソリン価格(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

「実際の通勤距離より、交通費が少なく感じる……」。そんなケースでは、会社側の“距離の測り方”が関係している可能性があります。

 交通費の算出では、実際の通勤経路ではなく、地図上の「直線距離」を採用している企業も少なくありません。現実の通勤経路は道路や線路の形状に沿うため、直線通りに移動できないので不公平に感じることもあるでしょう。

 山城さんによると、直線距離を基準にすること自体に違法性はないため、会社の規程として定められている以上、基本的にはそれに従う必要があります。

 ただし、実際の走行距離との差が大きすぎる場合には、不合理とみなされる可能性もあるといいます。近年は、従業員の納得感を高めるため、Googleマップなどを使った「実際の走行ルート」で距離を算出する企業も増えているそうです。

車の維持費用の自己負担どこまで?

 では、ガソリン代以外の費用はどうなのでしょうか。オイル交換や車検といったメンテナンス費用のほか、減価償却費については、基本的に個人負担となるケースがほとんどです。

 一方で、会社が12か月点検を「業務命令」として義務付けているにもかかわらず、その費用を全額従業員負担とする運用は、「妥当性を欠く可能性がある」と山城さん。会社側が、従業員に過度な不利益が生じないよう、どこまでを負担対象とするのかを就業規則などで明確にしておくことが望ましいといいます。

算出価格に納得できない場合、どう相談すべき?

「実際の通勤距離と比べて、さすがに差が大きすぎる気がする……」。そんな場合、会社へ相談しても問題ないのでしょうか。

 山城さんによると、実走行距離が直線距離の1.5倍を上回るなど、「著しい乖離」が生じている場合は、企業側へ見直しを相談する余地があるといいます。その際、まずは総務や人事部門に「制度を確認したい」という形で相談するのが良いそうです。

 感情的に不満を伝えるのではなく、「直近3か月のガソリン価格」や「実際の燃費記録」など、客観的なデータを示しながら説明することがポイント。そのうえで、「現行規程の見直しを検討いただけますか」と前向きな姿勢で相談することが円満な解決を図る近道となります。

(Hint-Pot編集部)

山城 宣之(やましろ・のぶゆき)

駒澤大学卒業後、大手100円ショップで人事として年間300回のセミナーと2万8000人の面接を担当。現在はヨースケFP社会保険労務士事務所代表として「社労士×節約」を得意分野に活動。商業出版として『給料そのままで月5万円節約作戦』(ごま書房新社)を発売。ストアカ講師やKindle40冊超の出版も行う。神奈川県社会保険労務士会横浜北支部所属。