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お金

賃貸派と持ち家派 “おひとり様”の場合は結局どちらがいい? 税理士が解説

公開日:  /  更新日:

著者:板倉 京

“おひとり様”こそ家は買うべき?(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
“おひとり様”こそ家は買うべき?(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 家は買うべきか、借りるべきか。人によって価値観が違うので答えが出ない問いではありますが、将来のことを考えれば、持ち家は2つの大きな利点があるといいます。「たった5日で相続対策 子どもに絶対、迷惑をかけたくない人のための」(ダイヤモンド社刊)など多数の著書を持つ、マネージャーナリストで税理士の板倉京さんが解説します。

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「家賃」は高齢者だからといって安くしてもらえない

「持ち家」と「賃貸」はどっちがいいのか? といった質問をされることが多くあります。

 いろいろな専門家がこの問題について語っていますが、みなさんそれぞれのお考えがあるようで、なかなか決着がついておりません。どこに住むのか、資産はどれくらいあるのか、住まいに何を求めるのかなど、その人の置かれている状況によって正解は異なります。

 結局、最後は「お好きなほうで」という結論になることが多いのですが、今回は“おひとり様”の家は「持ち家」か「賃貸」かを考えてみたいと思います。

 結論から言うと、私は「“おひとり様”は持ち家のほうが安心だろう」と思っています。

 理由のひとつは、「『結婚はコスパが悪い』は本当? 世帯手取り年収に実は大きな差が 税理士が解説」で説明したように、“おひとり様”は老後にもらえる年金が夫婦世帯よりも少なく、生活コストも割高だから。仕事を辞めたあと、年金で家賃を払いながら生活費も捻出するのは、夫婦世帯よりも“おひとり様”のほうが大変だろうと思うからです。

「定年後にかかる生活費は現役時代の7割程度」といわれています。働かなくなると、交際費や衣服費などは現役時代ほどかからなくなるでしょうし、食事も若い頃と比べて量を食べられなくなるでしょう。

 生活費が現役時代より少なくなることにはうなずけますが、家賃は高齢者だからといって安くしてもらえません。家賃を抑えるために、今よりも郊外や交通の便の悪いところに住む手もありますが、友達と会うのがひと苦労になったり、買い物や通院が不便になるのは、独り身につらいところです。