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「悪いところはありますか?」に先生が困惑 ハワイで子育てする日本人が驚いた“褒めて伸ばす文化”

公開日:  /  更新日:

著者:i-know

息子が4歳の頃に習っていたサッカー。アメリカでは女子にも大人気のスポーツ【写真:i-kknow】
息子が4歳の頃に習っていたサッカー。アメリカでは女子にも大人気のスポーツ【写真:i-kknow】

 子どもが失敗したとき、つい「なんでできなかったの?」と言ってしまった経験がある人は少なくないかもしれません。ハワイで子育てをする主婦ライターのi-know(いのう)さんは、小学校の先生やスポーツコーチたちの“声かけ”を通して、「子どもの挑戦する気持ちを守る文化」が根付いていることを実感したといいます。日本の親なら思わず聞いてしまいそうな質問に、先生が目を丸くして驚いた理由とは。第110回は「ハワイの教育現場で感じた、日本との違い」です。

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「正解を答える」より、「どう思う?」を重視する授業

 ハワイで子育てをしていると、「だから、アメリカ人は自己肯定感が高いのか」と実感させられるシーンにたびたび出合います。8歳の息子に聞き取りをすると、こんなことを話してくれました。

「日本の先生は、『この問題の答えがわかる人』と聞くことが多い。ハワイの先生は『このことに関して、みんなはどう思う?』と、意見を言わせる聞き方をする」

 息子は以前、日本の小学校に体験入学したことがありますが、子どもなりに「日本とハワイの“先生の声かけ”が、少し違う」と感じたのだとか。ようは、答えが決まり切っている質問を生徒に問う日本の先生に対し、ハワイの先生は「あなたは、どう思うか」という切り口で、回答を求めるのだそうです。

 もちろん、日本とアメリカ、どちらが良い悪いという話ではありません。ただし、前者が「正解か/不正解か」という結論になりやすいのに対し、後者はたとえ回答は間違っていても、「なるほど。あなたはそう思ったのね」と、その子の意見を尊重することができる。そういった教育がなされていると知って目からウロコでした。

「Good try!」 失敗しても否定しないアメリカ流の声かけ

 では、算数といった回答が決まりきったものに対して、生徒の答えが間違っていた場合はどうするのでしょうか。ハワイの先生は「Good try/グッド トライ!(いい挑戦だね)」という言葉を使って、“発言したこと”や“挑戦したこと”自体を褒め、間違いを否定しないそうです。

 もうひとつ、学校の先生やスポーツなど習い事のコーチがよく使う言葉として「Almost/オールモスト」があります。これは「惜しい」というニュアンスですが、私が見る限り「惜しい」からはほど遠い回答・状況でも、先生やコーチが「Almost」と口にするシーンを、これまで何度も目にしました。

 たとえば、サッカーボールをゴールに向かって蹴った際、まったく惜しくないのにコーチが「惜しい!」と言うなど。当初は「アメリカ人は大雑把だなぁ」ととらえていましたが、「惜しい」と言われた子どもが諦めずに何度も挑戦をする姿を見るうちに、「子どもの自尊心を傷つけない、魔法のような言葉だ」と感じるようになりました。

 このように、ハワイでは多くの指導者が「ネガティブな状況でも、子どもにポジティブな声かけをすること」を徹底しているように感じます。それが、子どもたちの“挑戦することへの抵抗感”を減らしているのかもしれません。