Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

ライフスタイル

ゴキブリ対策「ワンプッシュ」製品は本当に効くの? 駆除業者が「プロは使わない」と語る理由

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム・佐藤 佑輔

ゴキブリ対策商品は数あれど…(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ゴキブリ対策商品は数あれど…(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 初夏の陽気が漂うこの季節、本格的な夏を迎える前に早めの対策を打っておきたいのが、不快害虫の王様・ゴキブリです。「1匹見たら100匹はいる」「危険を察知すると卵をばらまく」「市販品は耐性がついて効果がない」「毒エサは外のゴキブリを招き寄せるから逆効果」……。見た目の嫌悪感から、さまざまな都市伝説もささやかれていますが、真偽のほどはどうなっているのでしょうか。ゴキブリ駆除専門業者「クリーンライフ」の大野宗社長に、「本当に効く」家庭内でのゴキブリ対策を聞きました。(取材・文=佐藤佑輔)

 ◇ ◇ ◇

プロの目から見て最も効果的な対策は?

 創業29年、飲食店を中心に店内のゴキブリ駆除を担い、契約数は全国2300店舗にも上るという同社。完全駆除成功率99.52%、契約更新率97.9%という実績に加え、昨年からは業界初の試みとなる全額返金保証サービスを導入、全国展開中の大手飲食チェーンや居酒屋チェーンとも多数の大型契約を結んでいます。

“ゴキブリ博士”こと、大野社長がまず説明するのは、「ゴキブリには種類があり、それによって対処法が全く異なる」ということ。家庭で遭遇するのは主に「クロゴキブリ」と「チャバネゴキブリ」の2種類ですが、その習性はまるで異なるといいます。

「クロゴキブリは日本の環境に適応した在来種と言われていて、屋外でも普通に生息しています。建物に隙間があると侵入し、必要に応じて出入りを繰り返す。成長は遅く、卵から成虫になるまでには1年ほどかかります。一方、チャバネゴキブリは南方系のゴキブリで、屋外で日本の冬を越すことは難しい。飲食店の厨房のような年中温かい環境を好み、成虫になるまでは3か月。1つの卵鞘(らんしょう。複数の卵が入ったカプセル状の物体)に30~40匹の幼虫が入っており、夏場は1か月で世代交代するすさまじい繁殖力を持っています。業界内ではクロゴキブリを『家庭用ゴキブリ』、チャバネを『業務用ゴキブリ』と呼んで区別しています」

 よく耳にする「1匹見たら100匹はいる」という言説は、実はチャバネゴキブリにのみ当てはまるそう。

「一般的にゴキブリの成虫と幼虫では、幼虫の方が動きが遅く発見しやすい。クロゴキブリは成虫になるまで1年かかるので、幼虫を見かけずに成虫1匹のみを発見した場合は、まず間違いなく外から入ってきた個体と思っていいでしょう。パニックになって家中に殺虫剤を撒く必要はなく、侵入経路と思われる水回りの封水トラップや塩ビ管との接続部の隙間、エアコンホースなどの穴をふさぎ、ブラックキャップやコンバットといった市販のベイト剤を置いておくだけで十分です」

 ベイト剤と呼ばれる毒エサには、ネット上などで「むしろ外のゴキブリをおびき寄せるから逆効果」という声もありますが、大野社長は「これは明確なデマ」と否定します。

「確かに誘引剤は入っていますが、商品記載の成分表を見れば、入っているのは米ぬか、ハチミツ、玉ねぎ、ポテトなど、普通に家庭内にあるものばかり。これらに外のゴキブリまで集めるほどの効果があるのであれば、どこの家もゴキブリだらけになってしまいます。2~3個置いただけで部屋中に誘引効果があれば我々も苦労はしません。だからこそ、ゴキブリの動線を知らない素人が仕掛ける際には、そこかしこにたくさん置いた方がより効果が期待できます」

 ゴキブリ対策グッズには、昔ながらのホウ酸団子や粘着性の捕獲器、スプレータイプの殺虫剤や家中まとめて薬剤が散布される薫煙(くんえん)剤など、さまざまな製品が存在します。プロの目から見て、最も効果的なものは何なのでしょうか。