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実家を着信拒否 虐待の連鎖を断ち切った女性が“サバイバー体験”を描く理由
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“虐待サバイバー”として漫画を描く理由

メンタルクリニックを受診したあと、Mちゃんさんの頭に浮かんだのは、同じ境遇の人を探そうとしていた子どもの頃の自分の姿でした。
「ネットが今ほど発展していないあの頃、嘲笑を恐れながら、少しでも安心したくて仲間探しをしていました」
自分の体験を漫画にしたら、同じような苦しみを抱えていた人や渦中にいる人に届くのはないだろうか。そう思い立ち、自身が受けた心理的虐待を漫画に描き、SNSで公開し始めました。
作品を紫色で統一しているのにも理由があります。
「紫は、闇から放たれる光。明るい光ではなく、闇の光でしか癒やされない人が、きっと私以外にもいると思うんです」
「母のようにはならない」 虐待の連鎖を断ち切るために
穏やかな夫や家族に囲まれた現在の生活のなかで、Mちゃんさんは「本来の自分は今の穏やかな状態なのかもしれない」と感じるようになったといいます。
虐待の連鎖を断ち切る芯となっているのは、過去に自分自身と交わした硬い約束。高校生のとき、M(えむむ)ちゃんさんは「自分が家庭を持ち、母と同じように家族を傷つけるなら、そのときは命を絶たねばならない」という重い覚悟を自身に課しました。
「同時期には、壮絶な虐待の連鎖を断ち切った虐待サバイバーの本も読み、その姿に感銘を受けました。前向きな工夫ではなく、育った家庭を反面教師にして自分を律しています」
自身が母親の行動に振り回されてきたからこそ、Mちゃんさんは、当事者やその家族に向けられる嘲笑や揶揄が減ってほしいと願っています。
「身近に不穏な人がいたら、自分を守るための境界線を引くことは大切。でも、境界線の向こう側から指を差して、当事者を嗤うような行為は悲しいです」
同じような苦しみを抱える誰かにとって、彼女が描く作品は「ひとりではない」と感じられる光になるのかもしれません。
(古川 諭香)
