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「グルテンフリー」=「小麦不使用」ではない? 知らないと危険な食品選びの“落とし穴” 医師に聞いた
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健康や体質に配慮して食品を選ぶ人が増えるなか、パッケージに記載された表示は大切な判断材料のひとつです。しかし、似たような言葉でも意味が異なる場合があり、正しく理解していないと思わぬリスクにつながることもあります。とくに、「グルテンフリー」と「小麦不使用」はどちらも似た意味のように思えますが、実は指している内容が異なるといいます。両者の違いと注意すべきポイントについて、天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニックの安江千尋院長に聞きました。
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「グルテンフリー」と「小麦不使用」は別
「グルテンフリー」と「小麦不使用」は似ているように見えますが、実際には意味が異なります。
まずグルテンは、小麦に含まれるたんぱく質の一種です。パンのもちもちとした食感や麺のコシを生み出す成分として知られています。小麦だけでなく、大麦やライ麦などにもグルテンに類似したたんぱく質が含まれます。「グルテンフリー」とは、こうしたグルテンや類似するたんぱく質を含まない、あるいは極めて少ない食品を指します。
一方、「小麦不使用」は、原材料として小麦を使用していないことを示す表示です。こちらは原材料に着目した表示であり、食品中のグルテン量を測定しているとは限りません。
つまり、「グルテンフリー」はグルテン量に着目した表示であり、「小麦不使用」は小麦を使っていないことを示す表示です。両者は似ているようで、確認すべきポイントが異なります。グルテンや小麦で不調が出る方は、この違いを理解していないと、思わぬリスクにつながることもあります。
セリアック病や小麦アレルギーの方は入念に確認を
そもそも「グルテンフリー」は、セリアック病の患者に対する食事療法として広まった考え方です。セリアック病は、グルテンを摂取することで小腸の粘膜に炎症が起こる遺伝性の自己免疫疾患です。
この病気では、小麦だけでなく、大麦やライ麦などに含まれるグルテンに類似したたんぱく質も症状の原因となるため、これらを含む食品を避ける必要があります。そのため、セリアック病の方は「小麦不使用」だけでなく、「グルテンを含む穀物が使われていないか」まで確認することが重要です。
小麦アレルギーの原因となるのは、グルテンだけではありません。アルブミンやグロブリンなどのたんぱく質に反応する人もいます。そのため「グルテンフリー」と表示されていても、小麦由来の成分が微量に残っていれば症状が出る可能性があります。
また、グルテンフリーの食品であっても、同じ工場や製造ラインで小麦を扱っている場合は、製造過程で微量の小麦が混入する可能性があります。小麦アレルギーの方は、「グルテンフリー」という表示だけで判断せず、原材料表示やアレルゲン表示、さらに「本品製造工場では小麦を含む製品を製造しています」といった注意書きまで確認しましょう。
重度の小麦アレルギーの方は、じんましん、腹痛、嘔吐にとどまらず、呼吸困難やアナフィラキシーを引き起こすこともあるため、とくに注意が必要です。
表示の違いを知って、食品を選ぼう
日本では「グルテンフリー」の法的な統一基準が設けられていません。そのため、メーカーごとに表示の考え方が異なる場合があります。「グルテンフリー」や「小麦不使用」といった表示は、選ぶ際の目安になりますが、完全な安全性を保証するものではありません。
アレルギーなどで食品を慎重に選ぶ必要がある場合は、原材料やアレルゲン表示、製造環境に関する注意書きにも目を向けることが大切です。不安がある場合は、医師に相談しながら食品を選ぶようにしましょう。
近年は、「グルテンフリー」や「粉もの断ち」といった言葉が使われる機会が多く、ダイエットや食生活の見直しとして取り入れたいと思う方もいるかもしれません。健康な人がグルテンや小麦を控えることの効果については、十分な医学的根拠があるとはいえませんが、表示の違いを理解しておくことが、安心して食品を選ぶための第一歩といえるでしょう。
防衛医科大学校医学科卒業。がん研有明病院下部消化管内科副医長を経て、現在は天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニック院長。日本内科学会総合内科専門医、日本消化器病学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医。わかりやすく丁寧な診療を心がけ、地域医療に従事している。
(Hint-Pot編集部)
