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「子どもの誕生日を心から祝えない」 宗教2世女性が語る過去のトラウマ “理解される支援”の必要性
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宗教2世に必要なのは“理解される支援”

近年、宗教2世問題は社会的に注目されるようになってきましたが、その一方で支援体制はまだ十分とは言えません。当事者である中島さんが歯がゆく思うのは、当事者の視点が十分反映されていない支援の現場が多くあることです。
「当事者ではない人が支援を考えると、どうしても目線がずれてしまったり、支援する側とされる側の上下関係ができてしまったりすることがあります。一方、当事者による支援では、過剰に他者を助けようとするメサイアコンプレックスが見られることも多く、バランスが難しいんです」
当事者にとって本当に意味のある支援の場にするには、どうすればいいのか――。その答えのひとつとして、中島さんは支援職の人たちに「“トラウマの眼鏡”を持ってほしい」と話します。
これは、個人のさまざまな問題行動や情緒不安定さを、単にわがままや本人の性格としてとらえるのではなく、背景に「トラウマが関係しているかもしれない」と考え、相手や状況を理解するアプローチのことです。
「宗教2世だけでなく、ほかの精神疾患の治療にあたるすべての支援者にも“トラウマの眼鏡”を持ってほしいです」
また、宗教2世の家庭では、親などから「お前がおかしい」「お前が間違っている」と繰り返し刷り込まれ、自分の現実感覚を狂わされるような「心理的支配(ガスライティング)」に苦しんできた人が少なくないと、中島さんはいいます。
「そうした目に見えない精神的な支配の怖さを理解した上で、寄り添ってくれる支援者が増えてほしい。もっと身近に福祉の手が届き、宗教2世でもちゃんと人が信じられるような社会になってほしいです」
「生まれて良かった」と思える日を信じて
身をもって宗教虐待の苦しさを知っているからこそ、中島さんは似た地獄を生き延びてきた宗教2世に温かいメッセージを贈ります。
「外部の支援につながろうとしても、スマホの履歴を親にチェックされるため、SOSすら出せない子どもたちがいます。まずは『本当によく生き抜いてきたね、お疲れさま』と伝えたい。そして、もし可能なら『子どもの人権110番』などの窓口を頼って、どうかひとりで抱え込まないでほしいです」
中島さん自身、今も後遺症と闘う日々のなかにいます。それでも、同じ地獄を生き延びてきた仲間、そして自分自身に向けて、最後にこう言葉を結びました。
「生き抜いた先では、生まれて良かったと思える日が来るはず。私自身、まだ心から実感できているわけじゃないけれど、自分も含め、宗教2世にはそう伝えたいです」
宗教にはないグレーな選択を自分に赦せるようになりたい。白黒の二極化ではなく、グラデーションがある自分や他人を認められるようになりたい。そう想いながら生きる中島さんが、心から笑える日がこの先の人生に多くあってほしいものです。
(古川 諭香)