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「娘が泣いていても抱きしめてあげられない」 産後1か月で足を引きずるように…指定難病が判明 車いす生活となった母親の葛藤
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「娘が泣いても抱っこできない」 車いす生活で直面した現実

車いすでの生活となったことで、暮らしは大きく変わりました。まず、直面したのは住居の問題です。それまで暮らしていた家はバリアフリーとはいえず、退院までに車いすで生活できる家を探さなければなりませんでした。しかし、段差がなく、車いすが通れる幅のドアや廊下、トイレやお風呂の広さや向きなどを考慮すると、ほとんどの住宅が車いすで生活するには困難だったそうです。
「車いすで開き戸を開閉することが難しいことも知りました。車も、車いすごと乗り込める車に買い替えました」
また、それまでは意識していませんでしたが、飲食店は入り口に段差があったり、座席の形状によって車いすでの利用が難しかったりする場所が多かったそうです。今はようやく出合えた、車いすのまま施術してもらえる美容院に通っていますが、初めの頃は利用できるお店がほぼなく、困惑しました。
「外出するときは事前にお店に連絡をして、車いすでの入店ができるかを確認するようになりました。車いすは両手で漕がなくてはいけないので、手で荷物を持つと動けなくなってしまったり、落としたものが拾えなかったりして、もどかしさを感じました」
何より心が痛んだのは、我が子との距離でした。石楠花さんは上半身を安定して支えることが難しく、車いすに乗っているときでも娘さんを抱っこすることができません。
「子どもの重さで、私の体が倒れてしまうんです。娘が泣いていても抱きしめてあげられないのが、とても悲しかった。私は、夫が用意してくれた離乳食を食べさせることぐらいしかできませんでした」
ただ、娘さんの成長に伴って、してあげられることが増えました。最近では着替えを手伝ったり、ドライヤーをかけてあげたりしているそうです。
「娘は、電動ベッドに座る私の脚の間に来てくれたり、一緒にピアノで遊ぼうと言ってくれたりします。無条件で、自分より大切な存在です」
後縦靱帯骨化症を発症し、車いすでの生活となったことで暮らしが一変した石楠花さん。その後は、新卒で入社した会社から退職勧奨を受けるなど、就労をめぐる悩みにも直面しました。後編では就労に関する悩みや、中途障害者になって得た気づきをお聞きしました。
(古川 諭香)
