仕事・人生
「会社に抗議することに疲れてしまった」 産後に難病判明、車いす生活となった母親が直面した現実
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福祉制度の複雑さと見えない経済的負担
石楠花さんは中途障害者になったことで、福祉制度の複雑さも実感したといいます。
「障害者福祉サービスはいろいろなものが用意されていますが、すべて自分で調べて手続きをしなくてはなりません。複雑な内容も多く、気づかなければ知らないままの制度もあるので、まとめて案内や手続きをしてくれる仕組みになってほしいです」
後縦靱帯骨化症は指定難病であるため、医療費には自己負担の上限額があります。そうした仕組みは心強い一方で、自費で購入しなければならない物品も多く、金銭的な負担に悩むこともあると話します。
また、後縦靱帯骨化症は国が定める16種類の特定疾病のひとつで、40歳になると介護保険サービスの利用対象になります。現在、38歳の石楠花さんは介護保険を利用できず、今は障害福祉サービスを利用していますが思いは複雑です。なぜなら、介護保険の対象になると介護保険が優先されるため、利用できるサービスや利用方法が変わることがあるからです。
「利用者の状況に応じて柔軟に制度を選択・併用できる仕組みになってくれたらうれしいです」
障害と向き合いながら、自分らしい人生を探して

本稿で紹介しているSNSアカウントではブラックジョークを交えながら、自身の障害を明るく話す石楠花さん。しかし、実際にはまだ障害を受け入れられてはいないといいます。このSNSアカウントを作ったのも、「誰にも知られないところで気持ちを吐き出したい」という想いからでした。
それでも、SNSで吐き出したことに反応をもらえたり、先輩の中途障害者や車いすユーザーから情報を教えてもらったりするなかで、気持ちは少し前向きになってきたそうです。自分も、同じ悩みを抱えている人に何かを還元したい。そして、自分の人生をネタにして笑えるようになりたい――。そう思いながら、石楠花さんは自分の人生を歩んでいます。
「娘には最高のパパがいることが救いです。夫は私が入院して娘が1歳になるまでの半分以上、ワンオペで子育てをしてくれました。仕事はもちろん、育児や家事をし、私の介護まで文句も言わずに行ってくれている夫には感謝しかありません」
揺れ動く気持ちを抱えながらも前に進む、石楠花さん。その力強い姿は、思い描いていた未来が変わっても、自分らしく生きる道を探し続けることの大切さを教えてくれます。
(古川 諭香)