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育児中のママ、パパへ 「栄養バランスの良い食事」は難しくない 管理栄養士に聞くコツ

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:長谷川 直子

食材、調理法、調味料が重ならないように 変化を付けるのもコツ

――目安にしながらも、実際に「食事バランスガイド」に沿って日々の食事の準備を用意するのは大変そうです。難しいイメージもありますが……。

「そうですね。少し、簡単に考えてみましょう。まずは1食で『主食』『主菜』『副菜』の3つは揃えることを心がけるだけでも良いでしょう。1食の主食は、ごはん、パン、麺類から1つということで、ごはんとラーメン、うどんと丼ものなど主食を2つ以上摂ることのないように。主菜は、肉、魚介、卵、豆腐や納豆などの大豆製品です。例えば朝が卵なら、昼は魚、夜は肉など、1日でいろいろな食材を摂ることが理想ですが、そんなに細かく考えずに、朝、昼、夕と肉が続いた、魚を1週間に1度も食べなかった、といったことのないように心がけましょう。魚介というと難しいように思いますが、魚の缶詰や、冷凍のシーフードミックスなどを利用しても構いません」

――副菜のコツはありますか?

「電子レンジで蒸し野菜にしたり、切ったり茹でたりして冷凍しておけば、調理の手間も省けます。我が家では、キノコは常に冷凍してあり、炒め物やみそ汁に入れたりしています。何品も用意するのは大変! というようであれば、ごはんと卵、鶏肉の親子丼とか、冷凍のシーフードミックスや野菜を具材にした焼きそばなどのように、主食と主菜、副菜を一緒にしたメニューでも良いでしょう」

――献立がマンネリにならない工夫は?

「大きく3つあります。1つ目は同じ食材が重ならないことですね。例えば、肉じゃがとポテトサラダ、大根サラダと大根のみそ汁などです。いろいろな食材を摂れるよう、できるだけ1食に同じ食材が重ならないようにしましょう。2つ目は同じ調理法が重ならないこと。例えば煮魚と野菜の煮物、から揚げとフライドポテトなどです。煮物をしている間に炒めもの、蒸しものの間に揚げ物など、調理法が重ならないことで調理時間の短縮にもつながりますよ。3つめは味付けが重ならないこと。例えば魚のみそ煮、酢みそ和え、みそ汁のようにみそが重なったり、チキン南蛮タルタルソース添え、マカロニサラダのようにマヨネーズが重なったりするなどです。すべて同じ味付けでは飽きてしまいます。塩、しょうゆ、みそなどの他、ポン酢、トマト、マヨネーズ、カレー、オイソターソース、鶏ガラなど、いろいろな調味料を組み合わせることで、献立の幅も広がります」

――その他、コツはありますか?

「とにかく、あまり難しく考えない事です。外出して食事を作る時間がなかったり、お子さんがぐずったりしたため、お昼は、おにぎりしか食べなかった……という時があったら、夕食に野菜たっぷりのみそ汁を食べる、ということで構いません。もし、お子さんが一度にたくさん食べられない場合は、牛乳・乳製品、果物を間食として摂ってみるのも良いでしょう。また、牛乳・乳製品は、シチューにしたり、チーズトーストにしたりするなど、お料理に活用するのも摂取しやすいコツの1つです。野菜の下ごしらえをする余裕がなければ、冷凍野菜を活用しても良いですし、お惣菜、冷凍食品、レトルト食品、缶詰なども上手に活用しながら、毎日の献立作りを楽しんでみてください」

【参考】
『食事バランスガイド』(農林水産省)
『幼児向け食事バランスガイド(3~5歳児向け)』(東京都)

(Hint-Pot編集部)

長谷川 直子(はせがわ・なおこ)


管理栄養士、公認スポーツ栄養士。09年から新潟を拠点にサッカーのアルビレックス新潟・栄養アドバイザーとして、選手、家族向け栄養セミナーの実施、メニュー作成や調整、個別の食事相談などをこなす。そのほか小中学校での食育講演会、新聞・雑誌の監修やラジオ出演など多彩に活躍。2児の母として自らの育児の経験を生かした食のアドバイスにも定評がある。