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アグネス・チャンさん 3人の子どもが米一流大学に入学した食育術 「孤食をさせないこと」がとても大事

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部・風間 久志

食卓の重要性について話してくれたアグネスさん【写真:河野優太】
食卓の重要性について話してくれたアグネスさん【写真:河野優太】

「食卓」は良いコミュニケーションの場 子どもの状態を確認できる場

 反抗期におけるコミュニケーションの重要性を教えてくれたアグネスさん。そのコミュニケーションの1つとしても、「食事」、そして「食育」は大きな役割を果たすという。まず、食育において「孤食をさせないこと」はとても大切だと話す。そのためにアグネスさんが重きを置いたという「食卓」作りの工夫を聞いた。

「食育では、『何を』食べるか、だけでなく『どうやって』食べるかも重要です。『どうやって』で大切なのは、孤食をさせないことです。みんなで食べる『食卓』というのはとても良いコミュニケーションの場なんです」

 アグネスさんによると、「食卓」は、子どもにとって社会に出ていくための1つの「訓練の場」にもなるという。

「まず、みんなでいろいろなことを話すと子どもの“聞く耳”が育てられます。そして『どう思う?』と聞くと、自分の意見を持ち考える力が付く。『自分の意見を発表する』ことでプレゼンテーションの練習もできる。しかも、一緒に食べることで『今日はあまりしゃべらないな、何か悩みがあるのかな』とか『今日はちょっと食欲がないな。病気なのかな』とか子どもの様子も確認できるのです。だから食卓はとても重要なんです」

「食卓」と同様に、実は一緒に「料理すること」も子どもの食育では重要な役割を果たすという。料理することはいろいろなことをプランニングできる「学び」であるため、アグネスさんは子どもが小さいうちから料理に参加させていた。

「私は2歳半とか3歳くらいから、料理を手伝わせたり、一緒に料理をしたりするのが良いと思います。まず興味を持たせるんですね。そのうちに買い物に連れていったりすると『この代金はいくらで、おつりはいくら』など算数が学べます。そして調理中は、『これは何グラム入れるとか、何分焼く』とか、分量や時間の計算もあります。もちろん失敗したりもしますが、次はもっとうまくやるよう注意しますから予習や復習にもなります。そして、おいしくできたものをみんなで食べると『もっとおいしくなるよね』ということも教えられます」

 温かく、丁寧に、そしてユーモアも交えながら、「食育」に関する話をしてくれたアグネスさん。「子どもに適した食べ物を学ぶ」「孤食をさせない」など、親が愛情を注ぎ、しっかり子どもと向き合うことが何より大切だということを教えてくれた。

◇アグネス・チャン
1955年香港生まれ。1972年「ひなげしの花」で日本デビュー。上智大学国際学部を経て、カナダのトロント大学(社会児童心理学)を卒業。1989年米国スタンフォード大学教育学部(博士課程)に留学。1994年教育学博士号(Ph.D)取得。1998年日本ユニセフ協会大使に就任。2016年ユニセフ・アジア親善大使(地域大使)に就任。著書は「スタンフォード大に3人の息子を合格させた50の教育法」(朝日新聞出版)など多数。3月16日に「子供の一生を幸せにする24の食育術」(ぴあ株式会社)を出版。アグネス・チャンオフィシャルブログ「アグネスちゃんこ鍋

(Hint-Pot編集部・風間 久志)