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日本の木造文化財を支える、“におい”のスペシャリスト “シロアリ探知犬”の日常と引退後
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ホテルではトコジラミ探知犬が活躍

「くんくんズ」には、シロアリ探知犬だけでなく、ホテルなどで活躍するトコジラミ探知犬もいます。同社がトコジラミ探知犬を導入したのは2010年。現在のようにトコジラミ被害やインバウンドが大きな話題となる以前から、ホテルなどのトコジラミ被害予防のための調査に取り組んできました。
人が目視で客室を調査すると約30分かかるところ、探知犬なら約3~7分で調査が可能。発見率は約95%とされ、ホテルの業務負担の軽減にもつながっています。
過去には、壁のコンセント内部からトコジラミを発見したケースもありました。トコジラミはベッドだけでなく、本棚の隙間やたたみのフチなど、わずかな隙間にも潜り込む習性があるため、人の目だけで見つけるのは容易ではありません。
ホテルでは2頭が15分ほど交代しながら調査を行い、多い日には約50室を点検しています。
毎日の訓練と、10歳で迎える第二の犬生
探知犬たちは普段、ドッグスクールで生活しています。ハンドラーは朝に迎えへ行き、現場へ向かいます。仕事がない日もドッグスクールで毎日15~20分ほど訓練を行い、シロアリやトコジラミのにおいを忘れないよう探知能力を維持しています。訓練以外の時間は自由に過ごしています。
現在、シロアリ探知犬が実際の調査で出動するのは、文化財や床下に入れない特殊な建物など年間10件前後。その一方で、探知犬の存在やシロアリ被害について知ってもらうため、年間40~50日ほどイベントにも参加しています。
また、トコジラミ探知犬は年間約100日、約4000室のホテル客室を調査。調査中も15分ほどで交代しながら作業を進めるなど、犬への負担にも配慮しています。
探知犬たちは10歳を目安に現場を引退します。これは能力が衰えるからではなく、「動物福祉の観点から、高齢になっても働き続けさせないため」と下山さんは説明します。
これまでに6頭が引退しており、そのほとんどは社員や関係者の家庭へ。一般家庭の愛犬として第二の犬生を送っています。
「会いたい気持ちはありますが、新しい家族との生活に慣れてもらうため、こちらから会いに行くことはありません」
神社仏閣やホテルを陰で支える探知犬たち。その活躍を支えているのは、優れた嗅覚だけでなく、日々の訓練と、引退後まで見据えた環境づくりでした。
(Hint-Pot編集部)