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からだ・美容

むせたときに追加で水を飲む、背中を強く叩くのは“NG” 水分補給時の「むせ」 実は危険な行動に医師が警鐘

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:林 裕章

ひとりでいるとき、ひどくむせたらすべきこと

 では、正しくはどう対応すれば良いのでしょうか。まずは自分がひとりでいるときの場合、むせてしまったら「咳や声が出るか」「呼吸ができているか」を確認します。

○咳や声が出ている場合
 まずは飲食を中止し、座るか立ったまま上体を少し前へ傾けます。無理に息を吸い込もうとせず、しっかり咳を続けましょう。口の中に残っている食べ物は吐き出し、咳と呼吸が落ち着くまでは、水を含め何も口にしないようにします。落ち着いたあともしばらくは、咳や息苦しさが残らないか様子を見ましょう。

 咳が長く続く、息苦しさが強まる場合は、早めに119番へ連絡してください。

○声が出ず、咳もできず、息ができない場合
 これは、重い気道閉塞の可能性があります。可能ならただちに119番へ電話し、スピーカー機能にして、周囲へ助けを求めましょう。電話ができるうちに、玄関のカギを開けておくことも有用です。救助者が来ない場合の最終手段としては、自分で腹部突き上げを行う選択肢もあります。

目の前の人がむせたら、まず確認したいこと

 家族や周囲の人がむせたときは、次のように対処しましょう。

○声が出て、しっかり咳ができている場合
 まず「話せますか」「咳はできますか」と声をかけましょう。声が出て、しっかり咳ができている場合は、異物を外へ出そうとする反応が働いています。本人に「そのまま咳を続けてください」と伝え、少し前屈みの姿勢をとってもらいます。水や食べ物は与えず、症状が落ち着くまでそばで見守りましょう。

○声が出ず、咳もできず、息ができない場合
 重い気道閉塞が疑われます。すぐに周囲の人へ119番通報とAEDの手配を依頼し、背部叩打法や腹部突き上げ法による応急手当を行います。反応がなくなった場合は、ただちに心肺蘇生を開始し、AEDが到着したら音声案内に従って使用してください。

 食事中の「むせ」は、誰にでも起こり得るものです。いざというときに落ち着いて行動できるよう、正しい対処法を知っておくことが、自分や大切な人の命を守ることにつながります。

(Hint-Pot編集部)

林 裕章(はやし・ひろあき)

林外科・内科クリニック理事長。国立佐賀医科大学卒業後、救急や外科医として診療経験を積み、2007年に父の診療所を継承。現在は外科医の父と放射線科医の妻とともに、医療・介護の両面から地域を支える有床診療所と老人ホームを運営。福岡県保険医協会会長として医療情報の発信にも尽力。日本外科学会外科専門医、日本抗加齢医学会専門医ほか多数の資格を保有。