ライフスタイル
夫婦旅行なのに「俺だけプレミアムクラス」 50代妻が空港で知った夫の選択 旅行後にはまさかの「離婚したい」 夫婦カウンセラーがアドバイス
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:夫婦カウンセラー・原嶋 めぐみ
旅行から2週間後、まさかの言葉が
夫も、そんな花菜さんの態度を不満に感じていたようです。帰宅してからも夫婦のぎくしゃくした状態は続き、夫から思いがけない言葉を告げられました。
「帰宅してから、夫に『せっかく旅行に連れていったのに、ずっと機嫌悪かったよね』と言われました。私も『そもそも、なんで夫婦旅行なのに自分だけプレミアムクラスにしたの?』と言い返してしまって。そこから言い合いになりました」
旅行後もお互いに納得できないまま、ぎくしゃくした状態が続きました。そして約2週間後、夫から「離婚したい」と切り出されたといいます。
「夫は『これからずっとこんな感じなら、一緒にいる意味がない』というんです。私も腹が立っていましたが、まさか離婚まで言われるとは思っていなくて……」
花菜さんは看護師の資格を持っており、離婚した場合も「仕事はどうにかなると思う」と話します。一方で、長年連れ添った夫との関係を、今回の出来事だけで終わらせて良いのか迷いもあります。
「私も旅行中の態度は良くなかったと思います。でも、そもそも夫婦旅行なのに、自分だけ良い席にする夫の感覚が理解できません。夫から離婚したいと言われた以上、このまま応じてしまったほうが良いのでしょうか」
旅行で表面化した夫婦のすれ違い 離婚を決める前に確認したいこと
旅行をきっかけに夫から離婚を切り出され、戸惑っている花菜さん。夫婦カウンセラーの原嶋めぐみさんは、今回の出来事だけを理由に、すぐ離婚に応じる必要はないと話します。
「まず整理してほしいのは、花菜さんがなぜこれほど傷ついたのかということです。夫だけがプレミアムクラスに乗ったこと自体が嫌だったのか、夫婦旅行なのに別々の席でも構わないと考えていたことが寂しかったのか、それとも、なんの相談もなく決められていたことに腹が立ったのか。似ているようで、それぞれ少しずつ違います」
花菜さん自身、「プレミアムクラスに乗りたかったわけではない」と話しています。そうであれば、席のグレードよりも、久しぶりの夫婦旅行に対するふたりの考え方に、大きな違いがあった可能性があります。
「夫にとっては、『仕事で貯めた自分のマイルを使っただけ』という感覚だったのかもしれません。一方、花菜さんは『久しぶりの夫婦旅行なのだから、移動時間も一緒に過ごしたい』と考えていた。どちらか一方の価値観だけを当然だと考えている限り、話はかみ合いません」
また、花菜さんはその場で強く不満を伝えず、旅行中も気持ちを引きずってしまいました。一方の夫も、花菜さんがなぜ楽しめなくなったのか、十分に理解できていなかった可能性があります。
「『言わなくてもわかるでしょう』では、夫婦でも伝わらないことがあります。旅行中の態度については、『私も気持ちを切り替えられなくて申し訳なかった』と認めたうえで、『でも、私はこういう理由で悲しかった』と伝えてみてください。相手を責めることと、自分が傷ついた理由を説明することは別です」
今回の旅行は、子どもが独立してから、夫婦ふたりでこれからどう過ごしていくのかを考えるきっかけにもなったと原嶋さんは指摘します。
「これまでは子どもの進学や生活など、家族として共通の目的があったと思います。それが一段落した今、改めて夫婦ふたりの関係を築いていく時期に入っています。今回の旅行だけを切り取って離婚するかどうかを決めるのではなく、『これからふたりでどんな生活をしたいのか』まで話してみてほしいですね」
その話し合いをしてもなお、夫が花菜さんの気持ちを理解しようとせず、夫婦として今後を一緒に考える意思もないのであれば、そのときは離婚を現実的な選択肢として検討しても良いといいます。
「離婚するのであれば、感情だけで決断するのではなく、その後の生活についても考えなければなりません。花菜さんは看護師の資格を持っていますが、仕事にはブランクがあります。まずは求人を調べるなどして、どの程度の収入を得られそうなのか確認しておくといいでしょう。離婚するかどうかとは別に、自分ひとりでも生活できる見通しを立てておくことは、今後を考えるうえで安心材料になります」
長年連れ添ってきた夫から突然「離婚したい」と言われれば、売り言葉に買い言葉で「それなら離婚する」と返したくなることもあるでしょう。しかし、今すぐ答えを出す必要はありません。
「大切なのは、プレミアムクラスの一件そのものではなく、そこで見えてきた夫婦の価値観の違いを、これから埋めていけるのかどうかです。夫がなぜ離婚まで考えたのかも含め、一度きちんと話し合ってみてください。そのうえで、この先も夫と一緒に暮らしていきたいのか、花菜さん自身の気持ちをじっくり考えてから結論を出しても遅くありません」
(和栗 恵)