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梨の表面にあるザラザラの正体とは おいしい見分け方と豆知識を栄養士が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

甘くてジューシーな梨。表面のザラザラが気になることも(写真はイメージ)【写真:写真AC】
甘くてジューシーな梨。表面のザラザラが気になることも(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 秋の味覚のひとつである梨。シャリシャリとした食感と、甘くジューシーな果汁が特徴です。梨を手にした際に表面のザラザラが気になることがありますが、これはいったいなんなのでしょうか。旬をおいしく楽しむための豆知識を、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

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品種や保存状態などによって異なるザラザラ度合い

 日本梨は、果皮の色や状態によって、大きく「赤梨」と「青梨」に分けられます。赤梨は、皮の色がやや赤みがかった褐色のもので、豊水や幸水、新高などが代表的です。一方で青梨は、皮の色が黄緑色のもので、二十世紀や八雲などの品種があります。

 皮のザラザラ感は、主に赤梨にみられる特徴です。ザラザラとした斑点のようなものは、「果点コルク」と呼ばれ、気孔の部分がコルク化しみずみずしさを保ちます。果実が熟すにつれて、ざらつきは少なくなるとされています。

 そのため、赤梨は皮の表面のザラザラ感が少ないものほど熟して甘いと聞いたことがある人もいるかもしれません。ただし、品種や保存状態などによってもザラザラする度合いは異なるため、選ぶ際の目安のひとつとして考えるとよいでしょう。軸が太めでしっかりとしていて、表面に傷がなく、ずっしりとした重みがあるかどうかも、おいしい梨を見分けるポイントです。

低カロリーも、食物繊維やカリウムを含む

 梨は9割近くが水分です。日本食品標準成分表(八訂)増補2023年の数値によると、梨100グラムあたりのエネルギーは38キロカロリー。同量のほかの果物と比べると、リンゴ53キロカロリー、ブドウ58キロカロリー、柿63キロカロリー、バナナ93キロカロリーで、比較的低カロリーの果物といえるでしょう。

 こうした特徴から「梨は栄養がない」と思われやすいのですが、意外にも食物繊維やカリウムなどが含まれています。便秘やむくみが気になる人は、梨を取り入れるのも良いでしょう。

 とくに不溶性食物繊維は、腸内で水分を吸収して膨らみ、便のかさを増やすことで腸の動きを促します。梨特有のシャリシャリとした食感は、不溶性食物繊維のリグニンなどが蓄積して硬くなった「石細胞」によるものです。また、糖アルコールの一種であるソルビトールも含まれており、便をやわらかくする働きがあるとされています。

 カリウムは、体内の余分な塩分(ナトリウム)の排出を助け、水分バランスの調整に関わる働きが期待できます。塩分をとりすぎたときに、意識したい栄養素です。

梨の活用法や保存方法

 梨はあまり日持ちしません。購入してきたら、なるべく早く食べ切るのがおすすめです。カットしてそのまま食べてもおいしいですが、料理に活用してみましょう。皮ごとすりおろした梨に肉を漬けておくと、焼いたときにジューシーでやわらかい仕上がりになります。これは梨に含まれるたんぱく質を分解する消化酵素の働きによるものです。

 保存する際は、軸側を下、おしり側を上にして保存するのがポイント。軸側を下にすることで梨の呼吸が抑えられ、劣化のスピードがゆるやかになるといわれています。梨は乾燥を嫌うため、1個ずつ食品用ラップをかけるか、ポリ袋などに入れて、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。

 梨は冷凍保存もできます。食べ切れないほどたくさんの梨が手に入ったときは、カットしてひと切れずつラップに包み、密封できる冷凍用保存袋に入れて保存します。シャーベットとして食べても、凍ったまますりおろして、炭酸水やヨーグルトなどに入れても良いでしょう。豆乳や牛乳などと一緒にスムージーにするのもおすすめです。

 品種によって特徴はさまざまですが、皮のザラザラや重みなども参考にしながら、おいしい梨を選び、旬の味わいを楽しんでください。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾