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富士山噴火で首都圏はどうなる? 数センチ積もるだけで都市機能が麻痺 知っておきたい「火山灰」が及ぼす5つの危機
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火山灰が降ると、街はどうなる?
1. 車での移動が難しくなる
道路に火山灰が積もると、タイヤが滑りやすくなったり、視界が悪化したりして、車の走行が困難になります。内閣府の「首都圏における広域降灰対策ガイドライン」では、二輪駆動車の場合、乾燥時は10センチ以上、雨が降っている場合は3センチ以上の降灰で通行不能になると想定されています。
道路交通に支障が出れば、食料や飲料水、日用品などの配送にも影響します。必要なものがすぐには手に入らない事態を想定し、日頃から十分に備蓄しておくことが大切です。
2. 鉄道が止まる可能性がある
鉄道は、道路よりさらに少ない降灰でも影響を受ける可能性があります。内閣府のガイドラインでは、「微量の降灰で地上路線の運行が停止」と想定されています。
ここで注意したいのが、電車や車が使えないからといって、無理に徒歩で移動しないことです。2025年3月に公表された同ガイドラインでは、広域降灰が発生した場合、住民は「できる限り降灰域内に留まって自宅等で生活を継続する」ことが基本とされています。降灰中は視界が悪くなるなど、屋外を移動すること自体に危険が伴う場合があるためです。
勤務先など自宅以外にいるときに降灰が始まることも考えられます。無理に帰宅しなくても済むよう、職場にも飲料水や食料、マスクなどを備えておくと安心です。
3. 大量に積もると建物が倒壊することも
大量の火山灰が屋根に積もると、その重みで建物が損壊する危険があります。とくに雨を含んだ火山灰には注意が必要です。
内閣府のガイドラインでは、雨が降っている状況で30センチ以上の火山灰が積もると、その重みによって倒壊する木造家屋が発生すると想定されています。また、体育館など、柱の間隔が広く屋根の傾斜がゆるやかな大型建物でも、損壊する可能性があります。
大量の降灰が予想される場合など、命に危険が及ぶ状況では、行政から発信される情報を確認し、避難など必要な行動を取ってください。
4. 停電や通信障害が起こる可能性がある
火山灰は電力や通信にも影響します。内閣府の想定では、雨が降っている場合、3ミリ以上の降灰で、電線などを支える「碍子(がいし)」の絶縁性能が低下し、停電が発生する可能性があります。
通信設備に火山灰が付着したり、停電したりすることで、携帯電話やインターネットが利用しにくくなることも考えられます。
災害時に連絡が取れなくなることを想定し、家族で避難先や安否確認の方法をあらかじめ決めておきましょう。スマートフォンの予備バッテリーなどを用意しておくことも大切です。
5. 目や呼吸器に影響が出ることも
火山灰は、木や紙を燃やしたあとの灰とは異なり、細かな岩石や鉱物、火山ガラスなどからできています。
空気中を漂う火山灰を吸い込むと、せきや鼻、のどの不快感など、呼吸器に影響が出ることがあります。とくに呼吸器疾患などの持病がある人は注意が必要です。
降灰中はできる限り屋内にとどまり、やむを得ず外に出る場合は、防塵マスクやゴーグルなどを着用して火山灰から身を守りましょう。
また、火山灰が目に入ると、異物感や痛みなどを引き起こすことがあります。コンタクトレンズを使用している場合は、火山灰によって目を傷つける可能性があるため、降灰時は眼鏡を使用するなどの対策も考えておきましょう。
広域降灰が起きると、交通や物流、ライフラインなど、暮らしのさまざまな部分に影響が広がります。内閣府は、降灰時に自宅などで生活を続けられるよう、日頃から十分な備蓄をしておくことが極めて重要だとしています。
飲料水や食料、常備薬、衛生用品、予備バッテリーに加え、防塵マスクやゴーグルなど、火山灰特有の備えも確認しておきましょう。
なお、降り積もった火山灰の処理方法は自治体によって異なる可能性があります。自己判断で通常のごみとして捨てたり、排水口などへ流したりせず、自治体からの案内に従って処理してください。
火山灰による影響は、火山の周辺だけにとどまるとは限りません。交通や物流が止まる事態も想定し、飲料水や食料、防塵マスクなど、必要な備えを日頃から整えておくことが大切です。
(和栗 恵)
和栗 恵(わぐり・めぐみ)
防災士・ライフスタイルライター。1970年東京都生まれの B型。雑誌、ウェブ、ドラマCD、ゲームシナリオ制作など、さまざまな媒体を手がける。男女の本質的な違いに着目した独自の恋愛論・結婚論を、ティーン誌、青年誌、ママさん向けウェブなどで展開中。著書にA型夫とB型妻との生活を描いた「毎日がグチLove B型妻 VS A型夫(笠倉出版社)」、「そして、ありがとう…ー犬とわたしの12の涙ー(日本文芸社)」などがある。