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「公立の小中学校のクラスに似ている」 同じ人を好きでも気が合うとは限らない…推し活歴20年以上で感じた人間関係の難しさ

公開日:  /  更新日:

著者:西田 梨紗

推しが大好きだからこそ、神経質になってしまう

推し活で劇場へ通うことも多い筆者【写真提供:西田梨紗】
推し活で劇場へ通うことも多い筆者【写真提供:西田梨紗】

 筆者の推しは女優であるため、劇場によく足を運んでいます。X(ツイッター)のタイムラインには、「上演中の飴の袋の音が迷惑」「シャカシャカ音のする服(ナイロン製のコートなど)を着てこないでほしい」といった投稿がよく流れてきます。

 また、多くの推しコミュニティにはルールが存在します。例えば、運営が出演者へのプレゼントを禁止している場合があります。そうしたなかで、プレゼントを贈り、受け取ってもらったファンがいると聞くと、複雑な気持ちになる人もいるかと思います。

 筆者は公共の場でマナー違反(電車で1人で2席使うなど)を見かけても、さほど気にならないほうだと思います。また、塾の自習室や図書館で周囲の人の服がすれる音について意識したこともありません。

 そんな筆者ですが、舞台やトークショーでは飴の袋の音や服がすれる音も気になり、推しに関するマナー違反を目にすると、モヤモヤを長時間にわたって引きずりがちです。それは、推しに対する想いがほかのことよりも強く、「推しの声を聞き逃したくない」「ステージの世界観をだれかに壊されたくない」という思いが働いているから……。

 推しとの時間を快適に過ごすために周囲に厳しくなってしまうことも、ファン同士が意識し合い、場合によっては敵対心を抱く要因のひとつだと思います。

「ファン同士のもつれ」どう向き合う?

 筆者自身、ときどき顔を合わせる程度の関係性のファンからの陰口に悩んだことがあります。直接言われた場合でなければ「聞こえなかった」ことにしています。相手とかかわることで関係性が悪化し、推し活が憂鬱(ゆううつ)になるのを避けるためです。

 また、自分に非がないにもかかわらず否定的なことを直接言われた場合、低姿勢で対応すると思います。悔しい対応となりますが、自分が声を荒げている姿だけが切り取られて拡散されるなど、別のトラブルに発展することを避けるためです。

 ただし、ありもしないルール違反行為が拡散された場合などは、話が別です。事実無根の噂によってルールが改定されたり、自分がブラックリスト入りしたりする可能性がある場合には、必要に応じてファンクラブや事務所へ事実ではないことを伝えるなど、実害を防ぐための対応を取ります。

 推し活のコミュニティを小中学校のクラスのようなものだと考えると、人間関係にも少し気楽に向き合えるように思います。クラスメイト全員と気が合うわけではなかったように、同じ人を推しているからといって、すべてのファンと仲良くする必要はありません。推し仲間は大切にしつつ、自分をよく思っていない人からの否定的な発言はスルーする。これが推し活の人間関係で悩まないための筆者なりのコツです。

(西田 梨紗)

西田 梨紗(にしだ・りさ)

アメリカ文学研究/ライター。アメリカ文学を研究する傍ら、映画・ドラマのレビューや、社会問題をテーマにした記事を執筆。近年は「推し活」や「おひとりさま」といった社会現象にも関心を寄せている。猫が好きで、「猫がしあわせになる記事を書くこと」をモットーに活動している。