Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

仕事・人生

「かわいそうと言うのはやめよう」よりも…幼少期から心ない言葉や視線に苦しんだアトピー当事者の女性 本当に望むこととは

公開日:  /  更新日:

著者:古川 諭香

「自分を責めないで」 当事者と家族に伝えたいメッセージ

メディカルハーブセラピストの資格を取得したとき【写真提供:但木美孔(@tadakimiku)さん】
メディカルハーブセラピストの資格を取得したとき【写真提供:但木美孔(@tadakimiku)さん】

 自身の経験を発信するとき、但木さんが大切にしていることがあります。アトピーは、体質や個人差によって効果が期待できるものが異なるため、自分に効果があったものでも安易にすすめないということです。飾り立てない等身大の体験談や、自分が抱いてきた感情をnoteなどで発信しています。

「子どもの頃は今いる場所がすべてのように思えて、心ない言葉や視線を向けられると、自分のことが嫌いになってしまうこともありますよね。でも、あなたを傷つけない場所や、フラットに接してくれる人は必ずいます。逃げてもいいから、どうか自分を責めないでほしい」

 但木さんは、かつての自分と似た悩みを抱える当事者にそう語りかけ、未来に命をつないでほしいと願っています。

「肌はどうしても目に入るので、当事者ではない人がアトピーを見て驚く心理はわかります。でも、それを言動に出されると、やっぱり苦しくなります。私個人としては、『アトピーの人をかわいそうと言うのはやめよう』という考えが広まるよりも、フラットに接してくれる人が増えたらうれしいです」

野外イベントのステージMCを務めたとき【写真提供:但木美孔(@tadakimiku)さん】
野外イベントのステージMCを務めたとき【写真提供:但木美孔(@tadakimiku)さん】

 そう語る但木さんは、アトピーの子どもと懸命に向き合う家族にも温かいメッセージを贈ります。

「私は祖父が『良くなれよ』と心を込めて薬を塗ってくれる時間に、とても救われていました。祖父は今でも、優しく薬を塗ってくれます。そういう優しいケアはきっと、お子さんにとって心の支えになっていると思います。ご家族も自分を責めないでほしいです」

 もし過去の自分に声をかけられるなら、「自分で居場所や関わる人を選べるようになるから、大人って楽しいぞ」と伝えたい――。そう笑う但木さんの言葉は、さまざまなコンプレックスや悩みを抱え、未来を怖く思っている若い世代に響くことでしょう。

(古川 諭香)