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価格高騰の救世主・モヤシ 野菜室で保存するのはNG? もったいない行為を栄養士に聞いた

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

比較的、価格が安定しているモヤシ(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
比較的、価格が安定しているモヤシ(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 野菜の価格高騰が気になる今。モヤシは、天候の影響を受けにくく、比較的価格が安定している野菜のひとつといえるでしょう。一方で、傷みやすい野菜でもあり、保存方法には注意が必要です。モヤシの栄養や、やってはいけない保存方法について、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

 ◇ ◇ ◇

「モヤシに栄養がない」というイメージは誤解

 豆を水に浸し、暗所で発芽させたモヤシ。一年を通して比較的価格が安定している野菜のひとつです。

 水分が約95%を占めるため、「栄養がない」と思われがちですが、実は、さまざまな栄養素が含まれています。

 とくに店頭に多く出回る緑豆モヤシは、発芽する過程で、緑豆にはほとんどないビタミンCが増えるのが特徴です。コラーゲンの生成に欠かせない栄養素で、免疫機能の維持をサポートすることで知られています。

 ほかにも、ビタミンB1やB2、葉酸、カリウム、食物繊維などが含まれています。ビタミンB群はエネルギー代謝を助け、葉酸は赤血球の形成に欠かせない栄養素です。カリウムには体内の余分なナトリウムや水分の排出を促す働きがあり、食物繊維は腸内環境を整えるのに役立ちます。

 炒め物や汁物、ナムルの具材としてはもちろん、今の季節は、価格が高騰している葉物野菜の代わりに、サラダや鍋料理などに使うのもおすすめです。味わいも淡泊なため、いつもの料理のかさ増しにも活用しやすいでしょう。

鮮度や栄養を維持するための工夫

 買い置きをしておきたいところですが、水分が多いモヤシは、傷みやすい野菜でもあります。鮮度や栄養をできるだけキープするために、次の3つの点に気をつけましょう。

○野菜室より冷蔵室やチルド室で保存
 一般的に、家庭の冷蔵庫の野菜室は、冷蔵室よりも温度が高めに設定されています。モヤシは低温保存に適した野菜なので、野菜室に入れると鮮度が落ちやすくなります。袋を爪楊枝で1、2か所穴あけて湿気を逃しやすくし、温度が低い冷蔵室やチルド室に入れて、できるだけ早く使い切りましょう。

○水に浸して保存しない
 長持ちさせるために、袋から出したモヤシを密閉容器に入れ、かぶるくらいの水を加えてフタをし、冷蔵庫で保存する方法もあります。ただし、ビタミンCやビタミンB群などの水溶性の栄養素が水に流出するため、栄養面からはおすすめしません。

○ゆですぎない
 モヤシをゆですぎると、ビタミンCやビタミンB群などの水溶性の栄養素がゆで汁に流出します。シャキシャキ感がなくなり、味も落ちるでしょう。モヤシは熱湯でさっとゆでたら、すぐに取り上げ、トレーなどに広げて冷まします。水に浸して冷ますのも栄養を逃さない観点からいうとNGです。電子レンジで加熱すると、手軽なうえ、水溶性の栄養素の損失が少なく済みます。

 野菜の価格高騰が気になるなか、比較的手頃な価格で購入できるモヤシ。保存方法や調理方法を工夫して、鮮度と栄養をできるだけ損なわずに食卓に取り入れましょう。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾