Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

仕事・人生

「自分も家庭を持ちたい」 26歳で希少がんを発症した男性 友人の結婚式で感じた喜びと複雑な思い

公開日:  /  更新日:

著者:古川 諭香

がんを発症する前の星川翔さん【写真提供:星川翔(@gankaiwai112)さん】
がんを発症する前の星川翔さん【写真提供:星川翔(@gankaiwai112)さん】

 病気によって、それまで当たり前だった日常が大きく変わってしまうことがあります。星川翔さん(@gankaiwai112)は26歳で、右側の咬筋(噛むための筋肉)に希少がんである「咬筋滑膜肉腫(こうきんかつまくにくしゅ)」を発症。描いていた未来図は大きく変わりました。それでも星川さんは、「自分の幸せ」を諦めてはいません。闘病生活の原動力にもなっている星川さんの夢とは、いったいなんなのか。そして、闘病中である今のリアルな胸の内とは……? 詳しくお話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

「20でもがんになることを知ってほしい」 SNSの発信に込めた想い

 2025年、26歳のときに右頬の腫れをきっかけに希少がん「咬筋滑膜肉腫」と診断された星川さん。腫瘍を摘出する手術を受けましたが、顔の右側に顔面神経麻痺が残り、以前のように自然に笑うことが難しくなりました。さらに、肺や背骨への転移も判明し、現在も治療を続けています。

 星川さんが自身の闘病生活をSNSで発信し始めたのは、2026年の1月のことでした。希少がんについて知ってもらうとともに、若い世代にもがんが身近な病気であることを伝えたいと考えたからです。

がん発症前の星川さん【写真提供:星川翔(@gankaiwai112)さん】
がん発症前の星川さん【写真提供:星川翔(@gankaiwai112)さん】

「20代でもがんになることや、治療によって生活が大きく変わってしまう現実を伝えたいという思いもありました。若いからといって、必ずしも長い人生が約束されているわけではないということを痛感したからです」

 SNSでの発信を始めた背景には、病気によって変わってしまった自身の姿への葛藤もありました。腫瘍の摘出手術後、顔の右側に麻痺が残ったことで人の視線が怖くなり、外出することに抵抗感を抱くようになったといいます。

顔の右側に残った顔面神経麻痺【写真提供:星川翔(@gankaiwai112)さん】
顔の右側に残った顔面神経麻痺【写真提供:星川翔(@gankaiwai112)さん】

「そんな自分でもSNSを通してなら気持ちを発信でき、社会とのつながりを持てるのではないかとも思ったんです」

 TikTokを中心に発信を続けるうちに、同じように病気と闘っている人や応援してくれる人たちとの交流が生まれました。また、長期間付き添ってくれた母親や、病気を心配して連絡をくれた友人の存在も、大きな支えになっています。

「病気になって失ったものは多かったけれど、人の温かさを感じる機会は増えました。また、変わらず接してくれる人や応援してくれる人がいる一方で、人間関係の難しさや孤独を感じることもあり、人とのつながりについての考え方も変わりました」