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あなたの体質に合ったみそ汁は? 体調管理に役立つ「おうち薬膳」を楽しもう【薬膳の基礎3】

公開日:  /  更新日:

著者:村上 華子

みそ汁(写真はイメージ)【写真:写真AC】
みそ汁(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 外出自粛の影響もあり、家で食事をする機会が多い今。普段とは違う角度から「食」について考えてみませんか。身近な「おうち薬膳」を実践する人気のヨガインストラクターで、薬膳フードデザイナーの村上華子さんが綴る人気連載「季結び庵 暮らしにいかすヨガと薬膳」をお届けします。テーマはみそ汁。健康状態を知るバロメーターとして、薬膳の観点から6つの体質の特徴と、自分がどのタイプかを知るチェック表について、前回紹介しました。それを踏まえて、今回はそれぞれの体質に合ったみそ汁の具材について解説します。もちろん体質など関係なく、見て気になったみそ汁でも構いません。薬膳の知恵が詰まった温かい1杯を作って食べて、心豊かに過ごしましょう。

 ◇ ◇ ◇

身近な食材で簡単に 朝ごはんにみそ汁で元気な1日のスタートに

 一見とっつきにくいと思われる薬膳ですが、昔からの知恵として無意識に生活に取り入れられていることが多く、とてもシンプル。「自分の身体の不調や変化に気付き、それらを補う働きの食材を選んで食べる」という仕組みを知れば、身近な食材で簡単に家庭料理を作ることができます。今回は、“日本のソウルフード”と呼ばれる和食の定番・みそ汁を薬膳の視点から考えてみました。みそ汁(スープ、汁物)の良さは、食材の栄養素を逃さず摂取できること。特に、朝ごはんに食べる温かいみそ汁は、睡眠中に冷えた身体を温め、1日を元気にスタートさせてくれるでしょう。

 薬膳の知恵から6つのみそ汁を紹介します。前回紹介した体質チェックから、今の自分の心と身体の傾向のタイプを知り、みそ汁一覧から選びます。もちろん、チェックせずに、読んで気になったみそ汁を作っていただいても構いません。薬膳は、食事の面から健康を考える食養生と、生活習慣を見直す生活養生を平行して行うことでより効果を実感できます。暮らしのヒントの1つとして取り入れ、コツコツと健康の土台を作り上げましょう。

薬膳の知恵 6つの体質別で おすすめのみそ汁とは

○Aタイプ 気が不足している「気虚(ききょ)」
 エネルギーが消耗してぐったり。身体が冷えやすく、風邪も引きやすい。

<おすすめの具材>
シイタケ:気を補い、免疫力アップ
山芋:気を補い、滋養強壮
卵:虚弱体質の改善。身体を潤す

【ポイント】
 シイタケは元気を補い、身体を丈夫にするパワフルな食材です。ただし、デリケートなので、素材の働きを逃がさないように水で洗わず、弱火でゆっくりと長めに火を通すのがコツ。山芋は地味な存在ながら、「山薬」という名前の漢方薬としても使われる優秀な薬膳食材です。

○Bタイプ 気が滞っている「気滞(きたい)」
 身体全体をめぐるエネルギーが停滞してストレスを感じやすい。集中力もない。

<おすすめの具材>
春菊:気のめぐりを良くする。眠りの質の改善
大根:消化を促す。気のめぐりを良くする
ゆず:気のめぐりを良くする。胃の不快感にも

【ポイント】
 気をめぐらせるためには、香りの良い食材が効果的です。香草(春菊、ミツバ、セロリ)や柑橘系との相性は抜群。中でも春菊は「安神作用」という、精神を安定させる働きもあります。香りの良い食材はアロマ効果を生かし、さっと軽く加熱する程度で食べましょう。