Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

国内ニュース

“不要不急”のママ友関係を断捨離した30代女性 新型コロナ禍の外出自粛に「非常識」と非難されて

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

料理教室への参加自粛を申し出るも… 主催のママ友や取り巻きから非難の声が

「そのママから『そんな理由でお教室を休もうとするなんて、非常識じゃありませんか?』と返事が来ました。さらに私以外の方は誰もそんなことは言っていないと……。まるで私がそのママのことを感染者と疑っていると思ったようで『とても失礼なことをおっしゃっているのよ?』って、とても厳しい調子でたしなめられてしまいました」

 晄子さんの自宅からママ友のお宅まではバスと電車、さらに最寄駅からタクシーに乗って出かけなければなりません。晄子さんは、感染リスクを最小限に抑えるための対応として外出を控えたかっただけであることを丁寧に説明したそうですが、どうしても理解してもらえなかったといいます。

 その後も、料理教室を開くママさんをはじめ、その取り巻きのようなママたちからも『非常識』となじるような言葉がメッセージアプリで送られてきたことから、心を病みそうになってしまったという晄子さん。ご主人と話し合った上で「ママ友は不要不急!」という結論に至り、スッパリとメッセージをブロックすることにしました。

「今思えば、勢い半分でブロックしてしまったので、これからどうしよう……という不安は拭えていません。ただその後、緊急事態宣言が全国的に出され、ステイホーム週間になるなど、とにかく人と接触する機会を減らしましょう、となっていますよね。学校が再開されるまでまだ時間があるので、そのママたちの怒りが収まっていることを祈るばかりです」

 晄子さんは、このことが原因でもし息子がいじめに遭ったら……という不安がありましたが、ご主人は、もしそうなったらその時は学校側にきちんと話を通しに行く、と味方になってくれました。「今、家族にとって何が大切なのか、母親として間違わないでほしい」とご主人に言われ、ハッとしたといいます。

「私たちがすべきことは、ウイルスの脅威から家族を守り、社会を守ること。ママ友たちとの関係を円満に収めたいがためにリスクを冒すことではありませんから」

 メッセージアプリをブロックした今は、平穏な自粛生活を送ることができていると晄子さん。

「この感染症が落ち着いたとしても、彼女の料理教室に戻ることはないでしょう。子どもが難関校に入ったことで、意味不明に舞い上がってしまった自分を反省しています。今後は背伸びをすることなく、自分たちらしい生活を送っていこうと思います」

 ママ友付き合いなど「不要不急」のことがあるかないかをじっくり見極め、必要のない人間関係を断捨離する――今回のコロナ禍を、今だからこそできることを考えるきっかけにするのもありかもしれません。

(和栗 恵)