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端午の節句 鯉のぼりや柏餅に込められた思いとは ステイホームで日本の伝統行事をおさらい
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教えてくれた人:池田 由美
柏餅やちまきを食べるのはなぜ? 菖蒲湯でおうち時間を楽しもう
――こどもの日に柏餅を食べる風習がありますね。
「柏餅は、上新粉で作ったお餅を平たく丸め、真ん中にあんを置いて2つに折り、柏の葉で包んだ和菓子です。柏の葉は、新芽が芽吹くまで枯れ葉が落ちないことから『子が生まれるまで親は生きる』とされ、家系が途絶えない、子孫繁栄と縁起の良い意味合いがあります。フィトンチッドという成分により、殺菌や防腐効果がある植物の葉で包んだ食べ物は古くからあったようですが、柏餅は江戸時代から端午の節句に食べる風習が定着したと言われています」
――地域によっては、ちまきや、他の和菓子を食べて祝うこともあります。
「端午の節句でお祝いとして食べられるのは、おこわが葉に包まれた中華ちまきではなく、日本ならではの米粉で作った餅を葉で包ん楕円錐形の『ちまき』です。細長い形をした甘いお団子です。邪気を払うとされ、武士が戦に向かう時に持っていく携帯食だったとも言われています。そのため、抗菌作用のある笹の葉に包むようになったと見られています」
――柏の葉や笹の葉など植物が出てきますが、ショウブもあります。菖蒲湯に浸かる風習もありますね。
「平安時代の頃の日本では、子どもたちは刀のような形をしたショウブで飾った紙のかぶとをつけて遊びをしていたとか。またショウブの持つ強い香りが邪気払いに使われて、家の屋根や軒先に挿したりしていました。菖蒲枕や菖蒲湯は、身体に『悪い気』が付くのを防ぐ意味で使われます。それが端午の節句では身体を労わり、子どもの成長を願うための行事になりました。ヨモギとセットで売られていることもあります。今年は、大人も子どももゆったりと菖蒲湯に浸かって、ステイホームを楽しむのも良いかもしれません」
(Hint-Pot編集部)